歯列矯正・歯科矯正で使えるデンタルローンとは？医療費控除の適用も解説

歯列矯正・歯科矯正を行うことで歯並びを揃えたい、しかし、高額な治療費に不安があり、歯科矯正に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。 この記事では、歯列矯正・歯科矯正にあたり、治療で使えるデンタルローンや医療費控除の適用について、詳しく解説します。

歯科治療の治療方法の種類

歯科治療には、健康保険を使う保険診療と、全額自己負担する自費診療があります。

保険診療

歯科治療を保険診療で行うと、一般的に3割の自己負担のみとなり、治療費を抑えられることがメリットです。その一方で、保険診療では歯科治療に使える材料に限りがあります。コンポジットレジン、金属製の被せ物、ブリッジ、プラスチックの入れ歯など、決められた治療しか受けられないというデメリットがあります。

自費診療

歯科治療の自費診療は、診療内容やサービスの選択肢が広がり、歯科医師と相談しながら治療方法を決めることができます。使用できる素材に限りがなく、インプラント、マウスピース矯正、入れ歯（メタルフリーやシリコン）、ホワイトニング、審美治療などが選択可能です。その一方で、健康保険が使えず、全額自己負担になるため、治療費が高くなるデメリットがあります。

歯列矯正で使える「デンタルローン」とは？

デンタルローンとは、歯科治療を行うことを目的として治療の費用を借りるために組むローンです。歯列矯正でデンタルローンを利用することは可能ですが、治療費のどこまでがローンの対象となるかは、契約する金融機関等により異なります。一括で費用が支払えない場合にデンタルローンを利用することで、分割で支払うことができ、希望する治療を選択することができるでしょう。ただし、デンタルローンでは金利が発生するため、一括で払う場合と比べて総支払金額が増えてしまうので注意が必要です。

デンタルローンの仕組み

デンタルローンは、歯列矯正に加えて、インプラント治療やセラミック治療など、健康保険を使えない歯科治療の支払いに利用できます。
ローンを利用すると、高額な歯科治療費を分割で支払うことができます。デンタルローンは、歯列矯正する本人に代わって、金融機関が歯科医院に一括で治療費を支払う仕組みです。本人は、手数料を含めて金融機関に分割して返済をすることになります。

関連リンク：ローンにはどんな種類がある？「カードローン」や「フリーローン」の違いも解説

歯列矯正で使えるその他の支払い方法

歯列矯正の支払い方法はデンタルローンだけではありません。手元の現金で支払えないときには、カードローンやクレジットカードを利用するという方法もあります。

カードローン

銀行や信販会社、消費者金融が提供している個人向けの融資サービスであるカードローンは、使用目的が限定されておらず、借りたお金を何に使っても自由です。カードローンで借りたお金で歯列矯正の治療費の支払いに充てても構いません。
カードローンは、借入限度額の範囲内なら追加で借り入れをすることもできますが、歯列矯正の金額によっては治療費の全額をカバーできないこともあります。
カードローンは、毎月決められた金額を返済しますが、さらにまとまったお金で臨時返済することも可能です。

クレジットカード

治療する歯科医院がクレジットカード決済に対応している場合は、治療費の支払いにクレジットカードが利用できます。支払い方法は1回払い、2回払い、分割払い、リボ払い、ボーナス払いなどから選択できます。すでに持っているクレジットカードを使えば、審査なしで支払いができますし、利用することによってポイントがもらえる場合もあるでしょう。しかしながら、クレジットカードもカードローン同様、歯列矯正の費用によっては、クレジットカードの利用可能額を超えてしまい、支払えないこともあるため、事前にクレジットカードの利用可能額を確認するようにしましょう。

デンタルローン・カードローン・クレジットカードの比較

歯科矯正や歯列矯正などの歯科治療を自由診療で受ける場合、治療内容により費用は異なりますが、数万円から数十万円、場合によっては100万円以上かかるなど、高額な治療費となることもあるでしょう。手元に現金がなく、一括で治療費の支払いが難しい場合には、先述の通り、デンタルローンやカードローン、クレジットカードなどで分割して支払う方法があります。

デンタルローンはカードローンやクレジットカードと比較して金利が低く、歯科医院で治療内容のどこまでをローンにするかなどの相談も可能です。 その一方で審査があり、即日の借り入れが難しいことや、歯科医院によってはデンタルローンを扱ってないこともあります。

カードローンは、最短即日で融資が可能で手続きが早く、途中で治療部位が増えたときも追加で借り入れができますが、デンタルローンに比べて金利が高くなります。

まとまった金額を借りたいときはデンタルローン、治療費が少し足りないときはカードローンやクレジットカードなど、金額や状況に応じて使い分ける方法もあります。

歯列矯正で使うローンの審査について

歯列矯正で使うローンには審査があります。審査の主な項目は、安定した収入があるか、他社からの借り入れが多くないか、信用情報機関に異動情報の登録がないかなどです。

安定した収入がある

デンタルローンに限ったことではありませんが、ローンを組むには審査があり、安定した収入があるかを問われます。会社に勤めている方は、源泉徴収票等の収入証明書の提示を求められる場合もあります。自営業者やフリーランスの場合は、確定申告書や所得証明書の提示を求められる場合もあるので注意しましょう。

他社からの借り入れが少ない

貸金業者からの借入れについては、年収の3分の1を超える借入れができないように貸金業法により制限されています（いわゆる総量規制）。借入額には、ほかの貸金業者からの借入れも含まれるので、他社からどのくらい借入れているかも審査に含まれます。なお、住宅ローンや自動車ローンの借入れは総量規制の対象外となります。

信用情報に異動情報がない

信用情報とは、個人のローンやクレジットカードなどの利用に関する情報を集めたものです。信用情報の異動情報には、支払いが遅れた履歴があるか、保証会社による代位弁済がなされた履歴があるか、自己破産の有無などの情報が記載されています。ローンの申し込みを行うと、ローン会社は信用情報機関に照会し、クレジットカードやキャッシング、奨学金、携帯電話の割賦払いなどの支払いが滞ってないかを審査します。

歯列矯正にかかる医療費の目安

虫歯や歯周病などで歯科治療を受けるときには、健康保険が適用され、一般的に窓口で支払う費用は、治療費の3割です。しかし、健康保険が適用される治療の範囲は決まっており、治療目的ではない歯列矯正などは自由診療となるため、治療費はすべて自己負担になります。

自由診療となる歯列矯正には、表側矯正や裏側矯正、インプラント矯正やマウスピース矯正などで、医療機関や個人の症例、治療法により、数万円から数十万円程度の医療費がかかります。

歯列矯正で医療費控除は使える？

医療費控除とは所得税の控除の一つであり、年間に10万円以上の医療費を支払ったときに、所得から10万円を超えた医療費を控除することができます。その結果、納める所得税が抑えられることになります。控除は最大200万円までです。現金払いだけでなく、デンタルローンやクレジットカードでの治療費の支払いも含めて、医療費控除の対象となります。

なお、デンタルローンの控除対象は治療費の支払い分のみで、ローンの利息や手数料は医療費控除の対象となりません。

関連リンク：歯医者での治療費が払えない場合の対処法を一挙紹介！費用の目安も治療別に解説！

医療費控除を受けたい場合の注意点

歯列矯正や歯科矯正で医療費控除を受けたい場合は、以下に注意をしましょう。

○医療費控除は、本人以外の家族の治療費も含めて控除できます。
○医療費控除は医療目的の費用が対象となるため、審美目的の費用は、医療費控除の対象外となります。
○デンタルローンやクレジットカードを使用して治療費を支払ったときの手数料や金利は、医療費控除の対象外となります。
○医療費控除は年末調整では反映されないので会社員であっても確定申告が必要です。

医療費控除を受けたい場合は、歯科医院の領収書やデンタルローンの契約書などを保管しておきましょう。

カードローンはアコムがおすすめ

自由診療を選択する際に、手持ちのお金では治療費の支払いに足りない場合は、デンタルローンやカードローン、クレジットカードを利用することが可能です。

アコムのカードローンは、インターネットから申し込みができ、審査最短20分、最短即日での融資が可能です（※）。そのため、歯列矯正の支払いまで時間がない場合などにもお役立ていただけます。借入可能かどうかがすぐにわかる3秒スピード診断もあるため、借入れ前に確認してみてはいかがでしょうか。

（※）お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。

まとめ

歯列矯正・歯科矯正は見た目の印象を変えるだけでなく、口腔内の環境や身体にも良い影響がある場合があります。
インプラント治療やセラミック治療などの健康保険が使えない歯科治療の費用も、全額が自己負担となりますが、デンタルローンやカードローン、クレジットカードの利用が可能です。
ただし、ローンの利用は慎重に行う必要があります。金利の低いローンを選ぶことも大切ですが、必要なときにお金を借りられるか、無理なく返済できるかなども考慮したうえで計画的に利用するように心がけましょう。

＜執筆者プロフィール＞
杉浦詔子
みはまライフプランニング　代表 ファイナンシャルプランニング技能士1級、ＣＦＰ®、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントとして、働く人の生活が豊かになるよう個別相談などで支援を行っている。