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2024.06.04

個人事業主が資金調達・融資を受けるには?受ける際の条件も解説 wave

個人事業主は、まとまった資金が必要になった場合、どのように調達すればよいのでしょうか。この記事では、個人事業主でも利用できる資金調達・融資方法の特徴やメリット・デメリット、利用するときの条件、注意点について解説します。

  1. 個人事業主でも資金調達・融資を受けることは可能?
  2. 個人事業主の資金調達方法
  3. 個人事業主が資金を調達するための条件
  4. 個人事業主が融資を申請する際の注意点
  5. 個人事業主が資金を調達する際の注意点
  6. アコムのカードローンならスピード借入が可能
  7. まとめ

個人事業主でも資金調達・融資を受けることは可能?

事業資金でローンを検討しているイメージ画像

個人事業主でも、さまざまな方法で資金調達・融資を受けることは可能です。

個人事業主とは法人を設立せず、個人で事業を営む人のことです。また、従業員がいても、法人化していない場合は個人事業主とみなされます。

開業、設備投資、新規事業など事業では、たびたびまとまった資金が必要になることがあります。しかし、必要な時期に資金が準備できていなければ、資金調達・融資といった方法で用意しなければなりません。

個人事業主の資金調達方法

個人事業主でも可能な資金調達方法は、主に金融機関からの融資、補助金・助成金、その他の方法に分類できます。

分類
金融機関からの融資・日本政策金融公庫
・信用金庫
・銀行
地方自治体の補助金・助成金・補助金
・助成金
その他・クラウドファンディング
・ビジネスカード(法人カード)
・ 資産の現金化

以下では、各資金調達方法の特徴、およびメリット・デメリットを紹介します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、政府が100%出資する政府系金融機関で、中小企業や個人事業主に対してさまざまな融資を行っています。
日本政策金融公庫が提供している融資制度は、国民生活事業・中小企業事業・農林水産事業の3つです。3つの融資制度のうち、個人事業主向けに融資をしているのは国民生活事業で、主に次のような融資を用意しており、無担保・無保証で利用できる融資もあります。

【主な日本政策金融公庫の個人事業主向け融資】

対象者用途融資制度
新たに事業を始める方、事業開始後おおむね7年以内の方(女性向け、シニア向けなどもある)事業開始時や事業開始後に必要となる設備資金や運転資金新企業育成貸付
事業拡大・生産性向上等を図る方所定の業種における、店舗の新築・増改築、機械設備の導入資金企業活力強化貸付
環境対策の促進を図る方非化石エネルギー設備やグリーントランスフォーメーションに必要な設備を導入する資金環境・エネルギー対策貸付

日本政策金融公庫は、政府系金融機関なので金利が低めに設定されているほか、長期の返済が可能なため、毎月の返済額が抑えられます。また、基本的には固定金利で、返済期間中に返済額が変わらず、返済計画が立てやすい点もメリットです。
ただし、返済能力を示すために提出資料が多く、審査に時間がかかる傾向があります。

信用金庫

信用金庫は、地域で集めた資金を地域の中小企業や個人に還元し、地域社会の発展に寄与する目的で設立された金融機関です。そのため、営業地域は一定の地域に限定され、主な取引先は会員である中小企業や個人事業主になります。

信用金庫は、地域に密着した業務運営を展開しており、融資の際、決算書の内容だけでなく、経営者の人柄や今後の事業の展望、事業性なども考慮してもらえる可能性があります。

日本政策金融公庫や銀行に比べると、財務基盤が強くないため金利が高めの傾向ですが、個人事業主にとって有力な借入先となるでしょう。

銀行

融資を利用するときに、メガバンクや地方銀行といった銀行からの融資を想像する人も多いでしょう。信用金庫やビジネスローンに比べると金利が低く、融資金額の上限も高めに設定されている傾向があります。

ただし、融資条件が厳しめで、利用する銀行との取引状況や決算内容、事業計画などを基に融資の可否、金利、融資額が決定されます。

まったく取引のない銀行から融資を受けるには、かなりの信用力が必要になるため、日頃から取引のある銀行に相談しましょう。

地方自治体の補助金・助成金

地方自治体の中には、個人事業主向けに補助金や助成金を用意していることがあります。補助金は「新規事業の地域支援、公益につながる事業」、助成金は「雇用や労働環境の改善」を支援する制度という違いがあります。

補助金や助成金は返済をする必要がないため、利用できれば事業の資金繰り改善につながるでしょう。

ただし、各制度が定める要件を満たしている必要があります。利用の可否が決まるまでに時間がかかる傾向があり、急ぎで資金を調達したい個人事業主には向いていません。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の投資家から小口の資金を調達する仕組みのことです。

クラウドファンディングは、自身の事業内容について多くの投資家にアピールすることができ、事業内容について支持が得られれば資金調達ができる点がメリットです。一方、事業内容について支持が得られない場合、調達できる資金が希望額に至らない、あるいはまったく調達できない可能性があります。

ビジネスカード(法人カード)

融資の利用や資金調達をするのではなく、ビジネスカードの後払いの仕組みを活用して資金繰り改善を図る方法もあります。

ビジネスカードとは、個人事業主や経営者向けのクレジットカードのことです。ビジネスカードを利用して商品を購入すると、利用代金の支払いが1~2カ月先に延びるため、その分資金繰りが改善します。

また、ビジネスカードで買い物をすると、利用額に応じたポイントも貯まります。貯まったポイントで現金のように買い物ができるカードであれば、経費の節約にもつながるでしょう。

資産の現金化

自社で所有する資産を担保としたり、売却したりすることで、資金調達をする方法もあります。例えば、不動産を所有している場合、不動産を担保として融資を受ける不動産担保ローンで資金調達ができます。また、不動産を売却して現金を調達することも可能です。ただし、購入時よりも低額で売却しなければならないリスクもあります。

その他、ファクタリングによる資金調達も可能です。ファクタリングとは、売掛債権を売却して現金化する方法で、利用者の信用力がなくても資金が調達できます。ただし、ファクタリングは融資に比べると手数料が高い傾向があります。

個人事業主が資金を調達するための条件

お金

個人事業主でも、さまざまな資金調達の方法があります。しかし、資金調達方法によっては、開業届の提出や確定申告書の控えを求められることがあります。

開業届を提出している

個人事業主が融資を受ける際は、開業届の提出を求められる場合があります。開業届が必要な場合、提出しない限り融資が受けられません。

また補助金・助成金を申請する際も、開業届が必要になる場合があります。

開業届とは、個人事業主として開業する際に提出する書類で、正式名称は「個人事業の開業・廃業等届書」といいます。開業届は、税務署や国税庁のサイトからダウンロードすれば入手可能です。必要事項を記入して、所轄の税務署に提出することで、事業の開始を申し出ることになります。開業届の提出期限は原則、開業日から1カ月以内ですが、提出しなくても罰則などはありません。

確定申告をしている

確定申告書の提出も、個人事業主が融資を受ける際に、必要な場合があります。決算書や確定申告書から、利益が出ていて、しっかり納税もしていることが示せれば、融資を受けられる可能性が高くなるでしょう。

確定申告は、1月1日から12月31日までの所得に対する税額を申告・納税をする手続きのことです。確定申告の期限は、原則、申告対象期間の翌年の2月16日~3月15日までとなっています。

e-Tax(国税電子申告・納税システム)や手書きで申告書を作成。税務署に申告書を提出して納税まで行います。

必要なときに資金調達ができるよう、毎年、期限までに確定申告書の提出・納税まで済ませておくよう心がけましょう。

個人事業主が融資を申請する際の注意点

融資手段を選ぶ際のポイントを解説する女性

融資を申請しても、必ず利用できるとは限りません。少しでも融資を利用できる可能性を高めるために、なるべく自己資金を準備し、早めに融資申請の準備をしておくことが大切です。また、開業資金を検討している個人事業主は、開業後よりも開業前のほうが融資を受けやすいことも知っておくとよいでしょう

なるべく自己資金を準備する

自己資金ゼロでは、返済能力に疑問を持たれる可能性があります。そのため融資の申請をする際は、少しでも多くの自己資金があったほうが望ましいでしょう。しかし、自己資金がないと審査に通らないというわけではありません。

具体的な事業計画を立てており、それに対する返済計画についても無理がないと金融機関が判断すれば、融資を受けられる可能性があります。

逆に、無理に自己資金を作ろうと、親族や知人、あるいはカードローンやクレジットカードのキャッシングなどでお金を借りても、自己資金と認めてもらえません。

開業前のほうが開業後よりも融資を受けやすい

開業後しばらくの間は、計画通りに利益が出ずに運転資金が不足するかもしれません。しかし、この時点で申し込みをしても、融資を受けるのは難しいでしょう。

一方、開業前であれば、事業計画と返済計画に妥当性があれば審査が受けられます。開業前に必要な費用を自己資金でまかなえそうな場合でも、運転資金として融資を受けておけば、万が一のときの費用や、先行投資にも充てられます。

早めに資金調達の準備を進める

資金調達をする際の審査や手続きは時間がかかる場合があり、申し込みが遅れると必要なときに資金が用意できないことも考えられます。

日々の資金繰りを把握して、必要と判断したら早めに資金調達の準備を進めましょう。

また、今すぐに資金調達をする必要性がなくても、今後急に必要になるかもしれません。いざというときのために、さまざまな資金調達方法についての条件や必要書類などを確認しておくとよいでしょう。

個人事業主が資金を調達する際の注意点

申し込み 受付 資料 パソコン

書類の準備漏れや、記載漏れがあると、資金調達ができなかったり、遅れたりする可能性があるため、資金調達に必要な書類や申込内容について、十分確認しておきましょう。また不明な点があれば、事前に専門家や担当者、窓口などに相談して、疑問を解消しておくことが大切です。

書類の準備漏れや記載漏れに注意する

個人事業主が資金調達の申請をする際、用意された所定の申込書に記入をして、必要書類とともに提出しなければなりません。主な必要書類としては、確定申告書、利益・財務状況が確認できる書類、納税証明書などがあります。さらに必要に応じて事業計画書、返済計画書なども求められます。

こうした必要書類がそろえられない、あるいは申込書類に不備があると、資金調達ができない可能性があるため注意が必要です。

不明点は積極的に調べる・相談する

個人事業主は、顧問税理士などをつけていないことが多いため、利益・財務をよく把握していない、必要書類が用意できないといったことが起こり得ます。十分理解していない点や、不明点を残したまま融資の申請をしても、不備を指摘される可能性が高いでしょう。

わからないことがあったら、税理士や日本政策金融公庫、自治体窓口、金融機関などでも融資に関する相談に応じているので、積極的に活用してみましょう。

アコムのカードローンならスピード借入が可能

この記事では、ノンバンクのビジネスローンとは何か解説します。ノンバンクのビジネスローンは、銀行以外の金融機関が扱う金融商品です。ノンバンクのビジネスローンの特徴やメリットについて解説するので、ビジネスローンを検討している方は参考にしてください。

融資を希望する個人事業主は、アコムの個人事業主向けカードローン「ビジネスサポートカードローン」も検討してみましょう。ビジネスサポートカードローンの契約極度額は最高300万で、資金使途は問いません。また極度額内であれば繰り返し利用できます。

申し込み内容や審査で不備がなければ、最短即日のスピード借入が可能です(※)。 また、担保や保証人なしで申し込めます。
(※)お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。

申し込み時の必要書類は以下の通りです。

・直近1期分の「確定申告書(第一表)(写し)」

ただし、契約極度額100万円超の場合は以下いずれかの書類が必要です。

・直近1期分の青色申告決算書(写し)
・直近1期分の収支内訳書(写し

ビジネスサポートカードローン(個人事業主向け)|アコム

まとめ

お金積木

個人事業主でも、金融機関からの融資や補助金・助成金など、多くの資金調達方法が利用できます。また、開業届や確定申告書など、資金調達方法によって必要書類が異なります。

希望するタイミングで資金を調達するためには、早めに準備に取り掛かることが大切です。書類不備などで審査が遅れてしまわないよう、不明点があれば、専門家や担当窓口などに事前に確認した上で、申し込みましょう。

<執筆者プロフィール>
金子賢司
CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、金融に興味を持ち、資産運用やローンなどの勉強を始める。以降、ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。ライティングの得意分野は、カードローン・クレジットカード・保険・投資関連など。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信中。

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