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2024.06.04

高校受験の塾の費用はいくら?集団・個別の授業形式ごと、費用の内訳も紹介 wave

子どもが中学生になると、高校受験のために学習塾に通いだすことも少なくありません。中学生の保護者にとっては、どれくらいの費用がかかるのかが気になるところです。そこで、今回は高校受験の塾の費用について、集団・個別の授業形式ごとの費用の目安や、内訳などとともに詳しく解説します。

  1. 高校受験生の塾の費用相場はどれくらい?
  2. 授業形式で異なる高校受験生の学習塾費
  3. 高校受験生の塾で必要な費用の内訳
  4. 高校受験生の塾の選び方のポイント
  5. 高校受験生の塾の費用を安く抑えるコツ
  6. まとめ

高校受験生の塾の費用相場はどれくらい?

高校受験をする中学生の塾の費用は、どれくらいなのでしょうか。中学1・2年生と比較して、中学3年生は塾の費用がどのくらい増えるのかなど、気になる塾の費用相場について紹介します。

年間にかかる学習塾費用

幼稚園から高等学校までにかかる学習費は、文部科学省が公表している「令和3年度子供の学習費調査」から平均的な額がわかります。学習費とは、学校に納める「学校教育費」と「学校給食費」「学校外活動費」を合わせたもので、学習塾にかかる費用は学校外活動費に入ります。

高校受験生となる中学生は、学習塾にどれくらい費用がかかっているかを、以下の表で見ていきましょう。

学習塾費の金額分布(中学生)

公立中学校私立中学校
0円29.6%46.1%
1円~1万円未満1.6%1.5%
1万円以上~5万円未満4.0%4.0%
5万円以上~10万円未満4.6%6.1%
10万円以上~20万円未満11.0%9.2%
20万円以上~30万円未満10.7%10.5%
30万円以上~40万円未満11.7%6.9%
40万円以上26.9%15.6%
年間1円以上の支出者のみの平均額35万6,000円32万6,000円

参照:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査(令和4年12月21日)」

公立中学生が年間で学習塾にかけている費用の分布の割合を見ると、学習塾費が0円で、学習塾に通っていない公立中学生は、全体の約3割です。
約7割の公立中学生が塾に通っており、そのうち年間に40万円以上の費用をかける割合は全体の26.9%でした。つまり、約4人に1人は学習塾費が年間40万円以上かかっていることになります。

また、公立中学生で学習塾費が10万円以上の割合を合計すると60.3%であり、6割以上の家庭で年間10万円以上の学習塾費をかけていることがわかります。

公立中学生の学校外活動費を人口規模別に見ると、以下のようになります。首都圏や地方都市など、人口規模が大きくなるほど、学校外活動費が多くなる傾向にあるといえるでしょう。

人口規模別の学習費総額

公立中学校平均10万人未満10万人以上
30万人未満
30万人以上
100万人未満
100万人以上・特別区
学習費総額約54万円約45万円約56万円
約59万円約60万円
うち学校教育費約13万円約14万円約13万円約13万円約12万円
うち学校給食費約4万円約4万円約4万円約4万円約3万円
うち学校外活動費約37万円約28万円約38万円約41万円約44万円

参照:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査(令和4年12月21日)」

学年ごとの平均金額

高校受験をする中学生が塾にどのくらい費用をかけているのか、学年ごとに見ていきましょう。

以下は、文部科学省が公表した「令和3年度子供の学習費調査」による中学生の学習塾費(年間)です。

公立中学校私立中学校
第1学年15万6,032円12万6,795円
第2学年20万3,859円18万1,436円
第3学年38万9,861円21万9,276円
平均25万196円17万5,435円

参照:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査(令和4年12月21日)」

第1学年から第3学年までの学習塾費の平均を学年ごとに見ると、私立中学校も公立中学校も、学年が上がるにつれ、学習塾費が増えていることがわかります。

第1学年と第3学年を比較すると、公立中学校は第3学年が約39万円で、第1学年と比較して2.5倍ほど、私立中学校は第3学年が約22万円で、第1学年と比較して1.7倍ほどの学習塾費がかかっています。月額に換算すると、公立中学の第3学年が学習塾に支払っている費用は、約3.2万円です。

中学3年生は夏以降、部活動を引退していくことが多く、引退後から本格的に高校受験対策を始める生徒もいます。3年生になってから塾の日数を増やしたり、夏期講習などの季節講習を受けたりすることで、学習塾費が大きく増えていくのでしょう。

公立中学校は、高校進学を希望する全員が高校受験をするため、中高一貫の私立中学校よりも、学習塾にかける費用が多いと考えられます。

授業形式で異なる高校受験生の学習塾費

学校と電卓

高校受験対策として、中学3年生で塾に通う場合の塾代の相場を見ていきましょう。子どもを集団指導塾に通わせるか、個別指導塾に通わせるかで、塾の費用は異なります。 集団指導塾とは「学校のクラスのような、生徒が多数での授業形式」で、個別指導塾とは「家庭教師のような、生徒が1~3人での授業形式」です。

集団指導塾の場合

集団指導塾は、教室に生徒が集まり、講師が複数の生徒に対して授業を行う形式です。生徒の学力や志望校でクラス分けされ、クラス単位でカリキュラムが作られています。そのため、クラスによって、塾に通う日時が決まります。

高校受験に向けて集団指導塾に通う場合、毎月の授業料は、通うクラスや受講する科目数により変わりますが、1週間に2・3日通うと、2万円~3万円が平均的な相場となるでしょう。

なお、高校受験直前には、短期集中型の直前対策講座など、さまざまな講座を塾から提示されることがあり、受講する講座を増やすと、塾の費用は増えていきます。  

集団指導塾の年間の学習塾費の目安

月額授業料の目安季節講習・模試費用等年間の学習塾費目安
中学1・2年生1万円~3万円数万円~数十万円30万円~60万円
中学3年生1万5,000円~5万円数万円~数十万円50万円~90万円

※2024年2月現在、著者調べ

個別指導塾の場合

個別指導塾は、生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムを個別に作るため、塾に通う日数や受講する科目数、学ぶ内容がそれぞれ異なります。そのため、高校受験に向けて個別指導塾に通う場合、毎月の授業料は月額数千円から数万円までと幅が広くなります。

1コマ60分、週に1日、講師1人に対して生徒2人で授業を受けた場合の平均的な相場は月額1万3,000円~1万6,000円ですが、高校受験直前になると、1コマを90分や120分に広げたり、塾に通う日数を週2~3日に、科目も3科目から5科目等へと増やしたりすることもあるでしょう。授業時間や科目が増えれば、塾の費用も増えていきます。

個別指導塾の年間の学習塾費の目安

月額授業料の目安季節講習・模試費用等年間の学習塾費目安
中学1・2年生1万5,000円~4万円数万円~数十万円40万円~80万円
中学3年生3万円~8万円数万円~数十万円70万円~140万円

※2024年2月現在、著者調べ

高校受験生の塾で必要な費用の内訳

習い事を選ぶ女性

高校受験のための塾で必要な費用には、入会金、授業料、夏期講習などの長期休暇時の特別講習費用、教材費用、模試費用、その他経費やカウンセリング料などが挙げられます。それぞれの項目の、おおよその費用の内訳を見ていきましょう。

塾の入会金

塾に入るときには、入会金という初期費用がかかります。塾の入会金の相場は2万円~3万円程度です。きょうだいで同じ塾に通うと、入会金免除や割引となることもあります。 また、塾によっては、入会金無料キャンペーンを行っていることもあるため、ホームページなどで確認しましょう。

塾の授業料

塾の授業料は、受講するコースやコマ数により異なります。高校受験をする中学3年生向けの個別指導塾の授業料は、月3万円~8万円程度であり、集団指導塾は、月1万5,000円~5万円程度が相場です。塾により1コマの時間や日数が異なるため、授業料を1時間当たりに換算すると、費用の比較がしやすくなります。

長期休暇時の特別講習費用

多くの塾では、春休みには春期講習、夏休みには夏期講習、冬休みには冬期講習というように、長期休暇時に特別講習が開催されます。
通常の授業とは別の開催となるので、特別講習を受けるには、新たに費用が必要です。特別講習費用の相場は、講習日数にもよりますが、数万~数十万円です。集団指導塾より個別指導塾が高くなる傾向にあります。また、高校受験前には中学3年生向けに宿泊で受講する合宿コースがあることもあり、料金は塾ごとで異なります。

特別講習の費用が多くかかり、一時的に生活費が足りない場合、アコムのカードローンがおすすめです。ご契約の翌日から30日間利息のかからない「30日間金利0円サービス」もあるため、ぜひご活用ください。

教材費用

塾の教材費用とは、塾で使うテキストやプリント、問題集などを購入する費用のことです。塾の教材費用は年間2万円~4万円程度で、テキスト1冊あたりの相場は2,000円~5,000円程度になります。国語と数学と英語の3科目を受講するときは、テキスト3冊を購入します。夏期講習など特別講習を受講するときは、特別講習用の教材を購入するのが一般的です。なお、教材費が授業料に含まれていることもあります。

模試費用・その他経費・カウンセリング料

塾に通うことで、模試費用・その他経費・カウンセリング料などの費用がかかることもあります。模試費用は、受験する科目数に応じて異なりますが、模試1回につき約5,000円程度で、高校受験の本番までに複数回模試を受験することが一般的です。

暖房費や冷房費などの水道光熱費、通信費などの施設管理費は、経費として毎月2,000円~3,000円程度かかります。また、塾によっては専門のカウンセリングサービスを受けられますが、授業料や経費などとは別の費用となることもあるので、事前に確認しましょう。

高校受験生の塾の選び方のポイント

授業 男性

高校受験の塾選びは、塾に通う目的を明確にし、集団指導塾と個別指導塾のいずれにするか、子どもに合った授業形式を選択することが大切です。また、費用が予算よりも高すぎると、保護者が支払いに対応できないこともあります。塾の環境や費用を考慮し、見学や体験授業でサポート体制などを確認した後、子どもが通い続けられそうな塾を選ぶことがポイントです。

塾費用の試算

高校受験のための塾の費用を検討するには、塾に支払う費用に加え、塾に通う交通費なども考慮して、塾費用を試算します。
例えば、入学金が2万円、授業料が月額4万円を12カ月、教材費が年間2万円、春期講習、夏期講習と冬期講習がそれぞれ10万円、1回5,000円の模試を6回、交通費が月3,000円とすると12カ月の合計は88万6,000円です。

費用金額
入学金2万円
授業料4万円×12カ月=48万円
教材費2万円
春期講習・夏期講習・冬期講習10万円×3=30万円
模試料5,000円×6回=3万円
交通費3,000円×12カ月=3万6,000円
合計88万6,000円

高校受験の塾の選び方のポイントとして費用面は外せません。上記は一例であり、授業形式や受講科目、通塾の回数や特別講習の有無などによっても費用は大きく変わります。

子どもの状況

子どもの状況も、塾選びのポイントになります。

子どもの意見を受け止めつつも、塾は高校受験という目標を達成するために通うものだと話し合っておきましょう。塾の雰囲気や通塾時間などが、子どものストレスになってないかも、確認が必要です。

授業形式

高校受験のための塾には、個別指導と集団指導の授業形式があります。個別指導は、生徒一人ひとりに合わせてカリキュラムが作られるため高い学習効率が期待されますが、その反面、他の生徒との交流機会が少なくなります。

一方で、集団指導は、カリキュラムがあらかじめ決められていることが多く、個人のニーズに合わせた学習計画に特化していません。塾選びの際には、子どもの状況を確認しながら、個別指導と集団指導のどちらが合っているかを考える必要があります。

合格実績

塾選びのポイントとして、高校の合格率は重要なポイントです。その塾の生徒の「何人が合格したか」という人数だけでなく、志望校を受験した「生徒の何割が合格したか」という割合も重要視しましょう。また、子どもが志望する高校と同じ高校の合格実績が多くあれば、志望校の受験対策などの情報を多く持っており、受験に向けた指導を受けることができると考えられます。

高校受験生の塾の費用を安く抑えるコツ

高校受験の塾費用は、家計に負担がかかることもあります。塾の費用を抑えるには、複数の塾の費用の比較、自習室の活用、オンライン授業の選択などがおすすめです。ここからは、塾の費用を抑えるコツを紹介します。

複数の塾の費用を比較する

高校受験対策として塾に通う場合、冬期講習や直前講習、個別指導の案内などがありますが、費用が増加し、家計に負担がかかることもあります。入塾前に、複数の塾の費用を比較することは重要です。時期によっては、塾が入会金の割引キャンペーンを行っていることもあるので、合わせて検討しましょう。
また、塾に入ってから費用が負担になってきたときには、転塾という方法もあります。ただし、転塾は新たに初期費用が必要となることもあるため、トータルでかかる費用の確認が必須です。

自習室をフル活用する

塾に自習室があれば、自習室をフル活用することで費用対効果は上がります。塾の自習室を利用できるのは、その塾に通っている生徒です。自習室では、皆が勉強する雰囲気になっており、他の生徒と同じ空間で集中して学べます。
また、ほとんどの塾の自習室は無料で利用が可能です。利用できる曜日や時間帯などは、塾により異なります。塾の授業の予習や復習、定期テストや模試の前に集中して学ぶなど、自習室をフル活用しましょう。

オンライン授業を選ぶ

オンライン授業とは、パソコンなどの機器とインターネットを活用し、講師と生徒が別の場所にいながら質問したり答えたりする双方向での授業や、録画された授業をパソコンなどから視聴して学ぶ授業です。
教室に入れる生徒よりも多くの生徒が、自宅や自習室など、どこからでも同じ授業を受けられることから、教室の授業よりもリーズナブルで塾の費用を抑えられる可能性があります。自宅でオンライン授業を受けることで、交通費の支出も抑えられるでしょう。

まとめ

授業中の学生

高校受験対策として中学生の子どもを塾に通わせる場合、平均的な塾費用の相場は年間40万円程度となります。また、授業料以外に、特別講習費用や模試代などもかかり、費用が高くなることもあります。
個別・集団など、授業形態によって塾の費用に違いがあることを理解し、自習室やオンライン授業の活用で費用を抑えつつ、受験に向けて学力をつけていくことが大切です。 どこの塾で学ぶかは、資料請求や無料体験授業なども利用して、子どもと一緒に考えましょう。

<執筆者プロフィール>
杉浦詔子
みはまライフプランニング 代表
ファイナンシャルプランニング技能士1級、CFP®、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントとして、働く人の生活が豊かになるよう個別相談などで支援を行っています。

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