金融機関ではさまざまなローンを扱っていますが、その中に「多目的ローン」と呼ばれるローンがあります。多目的ローンは、さまざまな使途に利用できるローンですが、どのような特徴があるのでしょうか。また、よく似たローンに「フリーローン」や「カードローン」がありますが、これらのローンとは何が異なるのでしょうか。
このコラムでは、多目的ローンの内容とメリット・デメリット、フリーローンやカードローンとの違いをわかりやすく解説します。
多目的ローンとは何か
多目的ローンとは、使途が幅広く、比較的低金利で利用できる個人向けローンのことで、主に金融機関で扱われています。
例えば、引越し費用、旅行費用、結婚費用、介護費用、葬儀費用、エステの費用、歯科治療費、楽器の購入など日常生活に関わる費用で、お金の使い道がはっきりしている場合に利用できるローンです。
明確な使途を証明するため、利用の際には契約書や見積書など、利用目的がわかる書類の提出を求められます。
なお、多目的ローンは生活関連費用のためのローンなので、事業性資金や投機性資金などには利用できない場合があります。
多目的ローンとフリーローンは何が違う?
多目的ローンもカードローンも個人を対象にしたローンである点は共通しています。しかし、カードローンでは多目的ローンと異なり、資金使途を証明する書類の提出が不要です。内容を比較してみると、一般的に、融資実行までの日数が異なります。また、追加融資の扱いが異なります。
では、どのような部分が異なるのか見ていきましょう。
関連リンク:カードローンの基礎知識
融資実行までの日数が異なる
多目的ローンは、多くの場合、申し込みをしてから融資が実行されるまでに数日程度時間がかかります。
一般的には、来店もしくはインターネットから申し込みをすると、まず仮審査が行われ、数日後に仮審査の結果が通知されます。そして、必要書類を提出した後に正式審査が行われ、使途や返済能力に問題がないかどうかを確認されます。審査に通れば、融資を受けることができます。
金融機関によっては、多目的ローンの申し込みから融資実行まで数週間かかるところもあるので、余裕を持った手続きが必要です。すぐには融資を受けられないため、急いでお金を必要とする人は向いていないかもしれません。
その点、カードローンは審査が早く、融資実行までの時間が短いのが特徴です。審査結果がすぐに通知される金融機関もあるので、場合によっては即日の借入れも可能です。例えばアコムのカードローンの場合、審査が最短20分で、最短で即日融資が可能です(※)。審査に通れば、指定口座への振込、あるいはATMからの引き出しで、基本的にはすぐに借入れが可能です。
カードローンは、急にまとまったお金が必要になった場合の借入れに向いているでしょう。
(※)お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。
追加借入の扱いが異なる
多目的ローンでは、借入をするお金の全額が指定口座に一括で入金されます。また、1回の契約で借入れできるのは一度きりなので、追加で借入れを希望するときは、再度契約する必要があります。
とはいえ、多目的ローンでは借入れた金額がそのまま返済額になり、追加の借入れが発生しないため、返済管理はしやすくなるでしょう。
一方、カードローンでは審査で決められた利用限度額の範囲内であれば、何度でも自由に借入れができます。一度借入れをした後、急にお金が必要になった場合でも、利用限度額までなら追加で借入れができるので、利用しやすいかもしれません。
しかし、何度も借入れを繰り返していると、必要以上に借り過ぎてしまうおそれがあるので注意が必要です。カードローンでは、常に利用残高を把握し、滞りなく返済をすることが重要です。そのため、借入れは計画的に行い、しっかりと返済管理をしていきましょう。
返済管理で利用をおすすめしたいのが「返済シミュレーション」です。
以下にご紹介するアコム提供の返済シミュレーションでは、借入希望額や借入利率など指定された情報を入力することで、毎回いくら返済すればいいのか、あるいは、どのくらいの期間で返済すればいいのかがわかります。
関連リンク:ご返済シミュレーション(借入金額・利息計算)
多目的ローンを利用するメリット
多目的ローンを利用すると、どのようなメリットを得られるのでしょうか。ここからは、多目的ローンを利用する際に得られる2つのメリットをご紹介します。
資金使途が幅広い
多目的ローンは資金の使途が幅広く、一般的に日常生活で必要なあらゆる費用に利用できます。主な用途は、引越し費用、旅行費用、結婚費用、介護費用、葬儀費用、楽器の購入、家具家電の購入、歯科治療費、エステの費用、趣味に関する費用など多岐にわたります。
ただし、多目的ローンは資金の使途が明確な場合にのみ利用できるローンです。そのため、利用の際には請求書、見積書、注文書など、使用目的を証明できる書類の提出が求められます。
また、資金の使途が幅広いとはいえ、事業性資金や投機性資金などには利用できない場合がありますので注意しましょう。
多目的ローンを利用するデメリット
資金の使途が幅広く、一般的に担保や保証人がなくても利用できる多目的ローンですが、留意すべき3つのデメリットがあります。
年収の基準が設けられている可能性がある
多目的ローンには、安定かつ継続した収入が利用条件として設定されており、金融機関によっては、年収200万円以上などというように、具体的な年収の基準を利用条件として設定しているところもあります。安定した継続収入がない、あるいは年収基準を満たしていない場合は、多目的ローンを利用できません。
利用の前には、金融機関の利用条件をよく確認しておきましょう。
融資実行までに日数が必要
多目的ローンを扱う金融機関の多くは、Webあるいは店頭で申し込みをした後、仮審査が行われ、数日後、仮審査の結果が通知されます。仮審査に通れば必要書類を提出し、正式審査が行われ、審査に通れば融資実行となります。このように審査を経てからの契約となるため、融資実行までには、ある程度日数が必要です。
多目的ローンでは、申し込みをした後、すぐに融資を受けられるわけではないので、利用する際は余裕を持って手続きをしましょう。
資金使途の確認書類が必要な場合がある
多目的ローンは、使途が明確な費用を対象とした個人向けローンです。そのため、資金の使途を確認できる書類の提出を求められる場合があります。
資金使途確認書類は、契約書、請求書、注文書、見積書などが該当しますが、提出を求められる書類は金融機関により異なります。また、源泉徴収票などの収入を確認する書類が必要な場合もあるので、どのような書類が必要になるのか、事前によく確認しておきましょう。
多目的ローンとカードローンどちらがおすすめ?
目的ローンとカードローンは、それぞれ異なる特徴があります。借入れの状況によっては、多目的ローンに向いている場合もあれば、カードローンに向いている場合もあります。利用の際は自分がどちらのローンに向いているのか、事前に確認しておきましょう。
多目的ローンがおすすめの人
次のような人は、多目的ローンに向いているといえます。
・借入れを急いでいない人
・資金の使い道が決まっている人
・追加の融資が不要な人
・低い金利を求めている人
多目的ローンは一般的に審査に時間がかかるため、急ぎでお金が必要な人には向いていません。申し込みから借入れまでにある程度の時間がかかっても問題ない場合には、利用してもよいでしょう。
また、使途が明確な費用に向けたローンのため、使い道が決まっており、用途を証明する書類の提出ができるのであれば利用可能です。
借入金を一括で受け取るタイプのローンなので、追加の融資が不要な人にも向いているといえます。
カードローンと比較して、多目的ローンは金利が低い傾向にあります。利用目的が決まっており、借入れまで時間の余裕がある場合は多目的ローンを利用するのがよいでしょう。
カードローンがおすすめの人
次のような人は、カードローンのほうが向いているといえます。
・すぐに借入れをしたい人
・使い道が明確に決まっていない人
・繰り返し借入れをする可能性がある人
急な出費で、すぐにでも借入れをしたい人は、最短で即日借入も可能なカードローンが向いています。
また、カードローンでは、資金使途を証明する書類の提出が不要です。使い道が明確には決まっていない場合もカードローンのほうが向いているといえます。
さらに、カードローンは利用限度額までなら何度も借入れができるので、追加で借入れをする可能性がある人はカードローンを利用するとよいでしょう。
カードローンはアコム
アコムのカードローンは資金使途が自由で保証人不要・無担保のローンです。生活費やレジャー費用、趣味の費用などのあらゆる目的に利用できます。また、アコムをはじめて利用する人なら、契約日の翌日から30日間利息がかからない「30日間金利0円サービス」があります。返済はインターネットバンキングやATM、振込などから自分に合った方法を選択できます。
簡単な質問に答えるだけで借入れが可能か診断ができる「3秒診断」があるので、利用してみましょう。
関連リンク:借入とは?融資やローンとの違い、借入方法の種類までわかりやすく解説
まとめ
多目的ローンは、幅広い使途に利用できる個人向けローンです。資金の使途がはっきりしている場合にのみ利用できるローンなので、契約時に資金使途確認書類の提出が必要になります。金融機関によっては年収の基準が設けられている場合があるため、利用条件をよく確認しましょう。
審査にはある程度時間がかかるので、余裕を持って申し込みすることをおすすめします。
<執筆者プロフィール>
前佛 朋子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者
以前ライターだった頃、専門分野を持とうと考え、興味のあった金融知識を活かせるファイナンシャル・プランナーの資格を取得。Webコラムやメルマガなど金融関連記事を執筆するかたわら、家計見直しやライフプラン、保険見直しなどの相談業務を行っている。ライフイベントに合わせて貯蓄や用途を分類するお金の整理を得意とし、保険や金融商品を売らないファイナンシャル・プランナーとして活動中。