通帳を見る喪服の女性
2024.05.17

葬式費用がない場合の対処法とは?そもそもどのくらいかかるかも含めて解説 wave

家族が亡くなったことを機に葬式の費用相場を調べて、「想像以上の金額だ」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。しかし、葬式費用は形式を簡略化したり、資金を調達したりすることで、予算内に収められる可能性があります。

この記事では、葬式費用の相場や費用を抑えるための具体的な方法、資金を確保するための手段について、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

  1. 葬式の費用相場とは
  2. 香典・香典返しとは
  3. 葬式の費用の負担者
  4. 葬式費用の負担が厳しい場合の対処方法
  5. 家族が亡くなった際に受け取れるお金
  6. まとめ

葬式の費用相場とは

2023年10~12月の葬式の平均費用は、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると約121万円とされています。

参照:15.葬式業|経済産業省

また、葬式費用の内訳には、主に以下のものが挙げられます。

葬式自体にかかる費用・斎場利用料
・火葬場利用料
・祭壇費用
・保棺料
・遺影(撮影・加工・装飾)料
・搬送費
など
参列者への接待費用・飲食代(通夜ぶるまい、精進落とし、告別料理など)
・香典返しの費用
・当日返しの費用
など
宗教者に対する費用・お布施(読経や戒名授与へのお礼)
・御車料
・御膳料
など

実際の葬式費用は、接待費用などの変動費やプランによって変わりますが、一般的な予算として、120万円前後を用意しておくのが基本です。

香典・香典返しとは

香典

香典とは、葬式に参列する際に、故人への哀悼の意を表して遺族に渡すお金のことです。一方で、香典返しとは、遺族から香典をくれた人に対する返礼のことを指します。

日本の葬式の慣習では、香典として受け取った金額の半分程度の品物を香典返しとして返すのが一般的です。ただし、家族葬など近親者だけで行う葬式では、香典を辞退することもあります。この場合は、遺族は葬式費用を全額自己負担することになります。

香典や香典返しは、故人との関係や葬式の形式によって変わるため、どのようにするかを事前に決めておくことが大切です。

葬式の費用の負担者

葬式費用の負担は、一般的に故人の家族が担います。具体的には、喪主である故人の配偶者や子など、近い親族が葬式費用を負担するケースが多いようです。

ほかにも、相続人で話し合って負担を決めたり、相続財産の中から捻出したりするパターンなどが考えられます。

また、葬式費用の負担者に関する法律上のルールはありません。したがって、葬式費用が高額で支払えない場合は、ほかの親族の協力を得ることも可能です。

葬式費用の支払いが難しい場合の対処方法は後述しますが、ほかの親族に費用の一部を負担してもらえないか相談することも、問題解決の選択肢の一つです。金銭に関する問題であるため、相談の心理的ハードルは高いと感じる方もいると思いますが、意外に快く協力してもらえる可能性もあります。

葬式費用の負担が厳しい場合の対処方法

電卓を持つ喪服の女性

葬式費用の負担が厳しい場合は、葬式の簡略化や自治体の市民葬・区民葬の選択によって費用を削減したり、支払い方法をクレジットカード払いに設定して、支払いのタイミングを遅らせたりする方法で対処できます。適切な対処方法を選ぶために、それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。

葬儀を簡略化する

家族葬にする・親族やごく近しい人のみを招いて行う
→参列者が少ないため、飲食費や会場費用を抑えられる
直葬にする・通夜なしで火葬のみ行う
→式場の使用料や祭壇の装飾などの費用を削減できる
必要なサービスを選ぶ・葬儀社のパッケージプランではなく、必要なサービスだけを選んでカスタマイズする
→不必要なサービス分の費用を削減できる

上記の方法により、葬式費用を大幅に削減できる可能性があります。簡略化された葬式であっても、故人に対する敬意を表することは可能であるため、選択肢の一つとして検討してみてください。

現金ではなくクレジットカードで支払う

十分な葬式費用が手元にない場合は、現金ではなくクレジットカード払いにして支払いを遅らせることで、一時的に資金難を解決できる可能性があります。

また、クレジットカード払いには、支払い回数を自由に設定できたり、支払い金額に応じてポイントを獲得できたりするというメリットもあります。葬儀社に、クレジットカード払いに対応しているか確認しましょう。

一方で、クレジットカードには欠点もあるため注意が必要です。分割払いやリボ払いを選択した場合、手数料がかかるため、一括で支払うよりも総額が増えてしまいます。また、クレジットカードを利用することで一時的に支払いを翌月以降にずらすことができますが、支払期日までに現金の用意をしなければ次月以降の返済に困ってしまう可能性があります。

クレジットカードで葬式費用を支払う場合は、必ず返済計画を事前に立てて、確実に返済できるようにしておきましょう。

なお、宗教者に支払う費用(お布施や御車料など)など、葬式費用の中には一部クレジットカード支払いができない費用もあるため、多少は現金の用意もするように心がけましょう。

ちなみにアコムでは、クレジットカードとキャッシング機能がついているACマスターカードと、ご契約の翌日から30日間利息がかからない「30日間金利0円サービス」があるカードローンを提供しています。現金の用意でお困りの際は、ぜひご検討ください。

関連リンク:https://www.acom.co.jp/lineup/credit/

自治体の市民葬・区民葬を利用する

葬式費用が不足している場合は、自治体が提供する「市民葬」や「区民葬」を利用するのも解決策の一つです。市民葬や区民葬には、以下のメリットがあります。

〇通常の葬式よりも費用が安い
〇必要最低限の葬式サービスはすべて提供される
〇各自治体が運営しているため安心して利用できる

市民葬や区民葬を利用する際は、居住地域の自治体に問い合わせることが必要です。利用条件や提供されるサービスの内容は、自治体によって異なるため事前に確認しましょう。

例えば、東京都23区の区民葬の場合は、祭壇を利用する最安プランだと、18万6,050円まで葬式費用を抑えられます。内訳は以下のとおりです。

項目プラン金額(税込)
祭壇料金(御寝棺含む)白布二段飾り C券 プリント棺(180cm)10万100円
霊柩車運送料金普通霊柩車(10kmまで)1万5,570円
火葬料金大人5万9,600円(非課税)
遺骨収納容器代大人用(3号一式)1万780円

参照:区民葬儀のご案内|東京都葬儀業協同組合

ただし、上記の金額には、接待費用や宗教者に対する費用は含まれておりません。予算を立てる際は、接待費用や宗教者に対する費用も考慮しましょう。

家族が亡くなった際に受け取れるお金

棺桶と喪服の男女

家族が亡くなった際は、給付金や死亡保険金を受け取れる可能性があります。また、亡くなった家族の預金を相続するケースもあり、葬式費用に充てることが可能です。注意点も含めて、それぞれ見ていきましょう。

給付制度による葬祭費

葬式費用を賄えなくて困っている場合でも、全国健康保険協会(協会けんぽ)や各自治体からの給付制度を活用することで、経済的な問題を解決できる可能性があります。

故人が社会保険加入者であれば、協会けんぽから5万円の埋葬料が支給されます。一方で、国民健康保険加入者の場合は、東京都23区では7万円、都内の市町村では5万円前後が給付額の目安です。

死亡保険金

故人が生命保険に加入していた場合は、受取人(基本的には家族)は死亡保険金を受け取ることが可能です。受け取れる保険金額は、契約した保険の種類や内容によって異なります。
葬式費用の捻出が難しい状況でも、死亡保険金を使うことで、資金面での問題を解決できる可能性があります。ただし、遺産分割など難しい手続きが必要になるケースもあるため、自力での対応が難しい場合は、専門家への相談も視野に入れましょう。

まとめ

葬式の女性

葬式費用は、平均で約120万円が必要であるため、金銭的に大きな負担となります。しかし、葬儀の簡略化や自治体の市民葬・区民葬によって、葬式費用を抑えることが可能です。

また、クレジットカード払いで支払い時期を遅らせたり、給付制度や保険金などを活用して葬式費用を賄ったりすることもできます。ただし、返済計画の設定や給付制度の理解が欠かせないため、事前にきちんと計画を立てた上で利用するよう心掛けましょう。

<執筆者プロフィール>
鈴木翔馬
金融ライター
2015年に宅地建物取引士、2022年に2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得。現在は保有資格を活かし、金融ジャンルを中心にライターとして活動中。累計執筆本数は1,000本以上で、さまざまな金融メディアでの記事執筆経験、監修経験あり。

wave wave

RELATED RELATED

  1. カードローン・キャッシングのアコム
  2. お金の学び場「LOAN myac」
  3. ローン
  4. 葬式費用がない場合の対処法とは?そもそもどのくらいかかるかも含めて解説
閉じる