初任給までお金がない？かかる生活費や乗り切る対処法を紹介

新社会人としてスタートを切るために、準備のためのお金も必要です。しかし、実際に働き始めてもすぐに給料が出るのではなく、初任給を貰うまでには時間がかかる場合がありますので、その間の生活費は貯蓄などから出さなければいけません。そのため計画的に準備していないと、お金が足りなくなってしまうこともあり得ます。

そこで今回は、初任給を貰うまでの期間と生活費が足りなくなった場合の対策や、やってはいけないことなどについて解説します。

初任給を貰うまでにお金が足りなくなるのはどんな状況？ 

初任給を貰うまでにお金が足りなくなる原因としては、1人暮らしを始めたり、給料日を間違えていたりといったことなどが考えられます。ここでは、初任給を貰うまでにお金が足りなくなる状況についてみていきましょう。

一人暮らしを始めた

就職してはじめて一人暮らしをする人もいると思いますが、一人暮らしを始めると、敷金・礼金に引越し費用などが必要になります。さらに物件によっては、2カ月分の家賃を入居時に払うところもあります。

家具や家電などは徐々に揃えることもできますが、それでも布団や電子レンジ、インターネットの契約などはすぐに必要になるでしょう。結果として、予想以上にお金がかかってしまい生活費が足りなくなる可能性があります。

給料の締め日を勘違いしていた

一般的に給料は、20日や25日に貰えるイメージですが、実は給料日に統一の決まりはなく、給料の支払い日は会社によって異なります。したがって、場合によっては初任給が5月以降になることもあります。

いつまでの分（締め日）を、いつ貰えるか（支給日）は、就業規則の中の給与規定（賃金規定）で確認できますので、事前に確認しておきましょう。

就職の準備に費用がかかった

就職の準備には引越しも含め、いろいろな費用がかかります。特に初めて就職するのであれば、スーツや靴を複数用意することになるでしょう。ほかにも、カバンや名刺入れ、定期券などを準備しようとするとお金がかかります。

初任給を貰えるタイミングはいつ？

新卒で4月1日入社の場合、初任給を貰えるタイミングには次のようなパターンがあります。

表1. 給与規定による初任給のタイミングと初任給の額

上記の中でもっとも遅いのは、初任給が6月1日になるパターンです。この場合は2カ月間給料が出ないことになります。

初任給までの生活費はいくらくらいかかる？

総務省が発表している「家計調査年報（家計収支編）2022年（令和4年）」によると、34歳以下の1か月あたりの支出（単身世帯）は以下のようになっています。

表2. 34歳以下単身世帯の1カ月の生活費の内訳

上記のうち、光熱費や水道代は翌月払いですし、家具や被服などは初任給まで我慢できるかもしれません。それでも、初任給を25日とすると10万〜12万円はかかると見ておいた方がよいでしょう。

初任給までお金がない場合の対処法は？

ここでは、引越しや就職の準備にお金がかかり、初任給まで生活費が苦しくなった場合、どのように対処すればいいのかをご紹介します。

お金のかかる誘いは断る

社会人一年目、特に入社して2～3カ月の間は、飲み会などの交流会に誘われることも多いかもしれません。飲み会は1回あたり3,000円〜5,000円かかります。二次会・三次会などに参加すれば、さらに費用がかかります。

生活が苦しいときは給料の支給日以降あらためて交流をはかるようにしましょう。

食費を節約する

外食ばかりではどうしても食費がかさみます。本格的に自炊をしなくても、お惣菜などを上手に利用するだけで、食費は変わってくるでしょう。

不要なものを売る

不要なものを売って現金にするのも有効な方法です。新卒であれば、社会人になったら読まないような本や、学生だから着られていた服やアクセサリーなどを整理して、現金化することも一つの方法です。

親や親族からお金を借りる

どうしても初任給まで生活ができないということであれば、親や親族からお金を借りることも検討しましょう。

日雇いのバイトを行う

家族や親戚、友人に頼みづらいときは、日雇いのバイトをするのも一つの方法です。

ただし、すぐにお金が必要な状況では、給料が銀行振込の仕事は不向きです。給料を現金手渡しで貰える軽作業バイト、個人経営や小規模な会社のアルバイトなど、日払いの仕事を探すほうがよいでしょう。

また、副業の扱いがどうなっているか、会社の就業規則をよく確認しておきましょう。

会社の前給制度を利用する

前給制度とは、社員が「すでに働いた分の賃金」を給料日前に受け取れる制度のことです。ただし、まだ働いてない分のお金を受け取ることはできないので注意が必要です。

例えば、25日が給料日の場合、4月1日〜4月10日分の給料を15日に前払いしてもらうのがこの制度です。

この制度を導入している企業は多くないかもしれませんが、念の為確認しておくといいでしょう。

カードローンを利用する

お金を借りたいけれど、家族や友人に迷惑をかけたくない、または知られたくないという人は、カードローンの利用も検討しましょう。カードローンは銀行や消費者金融で利用できます。

最短で即日にお金を借りることができるので、緊急性が高いときには便利な方法です。その反面、金利が比較的高く設定されていること、年収などにより利用限度額の上限が決まってしまうことなどの注意点もあります。

アコムは24時間申し込みや借入れが可能で、審査最短20分、最短即日融資が可能です（※）。また、初めて借りる場合には、契約の翌日から30日間利息がかからない30日間金利０円サービス もありますので、一時的にお金が必要なときに役立ちます。

（※）お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。 

ただし、消費者金融などカードローンを利用する場合には、給料日に手元に入るお金がいくらなのか、生活費を支払った後返済に充てられる金額がいくらなのかを確認した上で返済計画を立てて利用するように心がけましょう。

関連リンク：アコムのカードローン

クレジットカードのキャッシング機能を利用する

クレジットカードには、現金を借りられる「キャッシング枠」があります。ただし、金利が高く設定されている場合がありますので、利用するのは返済の目処が立っているときのほうがいいでしょう。

返済の方法は「翌月までに一括返済」と「リボ払い（リボルビング払い）」の2種類が一般的ですが、初任給までの繋ぎということであれば、翌月一括払いを選びましょう。

就職・転職直後にカードローンは借りられる？

就職・転職直後でまだ初任給を受け取っていない場合、カードローンの審査には通るのでしょうか。カードローンの審査項目はカードローン会社によって若干異なりますが、アコムの審査項目は例として次のようなものがあげられます。

就職・転職直後で初任給を受け取っていない場合であっても、審査を受けることは可能です。 ただし、利用限度額の上限が決まっていることや、他社借入状況によっては収入証明書が必要になることもあるため注意が必要です。

関連リンク：本人確認の必要書類（本人確認書類）のご提出

初任給までお金がないときに絶対にやってはいけないこと

初任給までにお金が足りないときに、絶対にやってはいけないことがあります。ここでは、その主なケースについて解説します。

悪徳業者からお金を借りる

貸金業者の中には、貸金業登録を受けずにお金を貸す、いわゆる「悪徳業者」も存在します。これらの業者は「他店で断られてもOK」などと審査が甘いことを強調し、低額から貸付を行いますが、実際は違法な業者のため、高金利で無理な返済を強要したり、金融犯罪に巻き込まれたりする恐れがあるため注意しましょう。

ギャンブルに走る

お金がないからとギャンブルに走るのは厳禁です。競馬や宝くじなどの公営のギャンブルは余剰資金で楽しむ分にはいいですが、生活が苦しいときには手を出さないようにしましょう。友人同士で行う賭け麻雀や賭けゴルフ、海外のオンラインカジノも、日本では違法にあたり、賭博罪で逮捕される可能性もあります。

クレジットカードの現金化を行う

クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を得ることを、「クレジットカードの現金化」といいます。

例えば、クレジットカードでブランド商品を購入し、それを買取業者などに売ることで一時的に現金を得る方法がこれにあたります。 クレジットカードの現金化は明確な違法行為とは言えないものの、一般的にカード会社の利用規約に違反する行為のため、発覚した場合には強制退会などの措置を受ける可能性があります。

また、クレジットカードの現金化によって得られる金額は商品の購入金額を下回るため金銭的な損失が発生します。さらに、金融犯罪などのトラブルに巻き込まれたりする可能性があるので注意しましょう。

初任給後もお金がない？問題を解決するためのポイント

ようやく初任給を得て安定した収入が得られるようになっても、相変わらず生活が苦しいという場合もあります。そういう場合は、家賃や水道光熱費、通信費などの固定費が高くなっているかもしれませんし、交際費などの娯楽関連の出費が多いかもしれません。

いずれにせよ、定期的に収入を得ているにも関わらず生活が苦しい場合は、まず家計管理をしっかりして、それに応じた対策をとることが大切です。新しい生活を始めたのを機に、家計簿をつけ始めてみるのもおすすめです。

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まとめ

就職したからといってすぐにお金が手に入るのではなく、会社によっては初任給の入金まで1カ月以上がかることもあります。どうしても生活が苦しいのであれば、不用品を売ったりお金を借りたり節約したりなどして対策を講じてください。

カードローン会社によっては初回30日間無利息でお金を借りられるところもあるので、一時的に利用することを検討するのもいいでしょう。間違っても悪徳業者からお金を借りることやギャンブルに走ることなどがないようにしましょう。


執筆者：松岡 紀史

ライツワードFP事務所代表 筑波大学大学院でファイナンスを学ぶ。ファイナンシャル・プランナーによるライフプランの提案が金融商品の販売を前提としていることに疑問を感じ、2010年、保険・投資信託を販売しない独立系FP事務所を兵庫県神戸市に設立。「節約・貯金」「保険」「投資」いずれかに偏ることのない、バランスを重視した包括的なライフプランの提案を行っている。日本FP協会認定AFP。