リボ払いは、月々の返済金額を一定にできる便利な支払方法です。この記事では、リボ払いの手数料やその計算方法、分割払いの違いなどについて解説します。
そもそもリボ払いの仕組みとは?
リボ払いとは、毎月あらかじめ定められた一定の金額を返済するという支払方法です。例えば、クレジットカードで買い物をした場合などにリボ払いを選択すると、毎月の返済金額を一定にすることができます。利用可能額の中で買い物をして、月々の返済金額が決まると、完済までの支払回数も決まります。
関連リンク:リボ払い(リボルビング方式)とは?仕組み、手数料、返済額、計算方法について解説
リボ払いと分割払いの違いは何?
複数回に分けて支払いする方法には分割払いもありますが、リボ払いと分割払いには明確に違いがあります。
リボ払いは月々の返済金額をあらかじめ定めるという特徴があります。リボ払いで何度も買い物をすれば利用残高は増えますが、あらかじめ定めた月々の返済金額を毎月返済することで利用残高は減ります。しかしながら買い物を繰り返して利用額が増えていっても、月々の返済金額の変更を行わない限りは支払回数も増えていきます。
一方で、分割払いは決済ごとに支払回数を決めます。支払回数は決済を行うお店によって異なりますが、2回、3回、12回、36回などさまざまです。支払回数を先に決めることで、その回数に応じた返済金額が決まるので、支払回数が少ない方法を選択した場合は月々の返済金額は多くなり、支払回数を多くすると月々の返済金額は少なくなります。
つまり、リボ払いはあらかじめ月々の返済金額を決めて返済金額に応じて支払回数が決まります。一方、分割払いは支払い時に支払回数を決めて支払回数に応じて月々の返済金額が決まります。
リボ払いにかかる手数料(利息)とは?
リボ払いの手数料(利息)は、毎月の利用残高に手数料(金利)をかけた金額によって決まります。リボ払いは毎月の返済金額が一定となる方法ですが、毎月の返済金額の決定方法は、カード会社によって異なります。
例えば、「定額返済」や「定率返済」という方法があり、「定額返済」の場合は月々に支払う金額を一定額で決めることができます。一方で、「定率返済」の場合には利用残高に対して一定の割合をかけた金額を返済する必要があります。利用残高が増えると、毎月の返済金額も増えてしまいます。
毎月の返済金額が一定で、その中から手数料(利息)を支払う方法を「元利定額返済方式」といいます。手数料(利息)は借入残高に応じて変動しますが、「元利定額返済方式」の場合、月々の返済金額は一定なので、元金に充当される金額が変動するのが特徴です。
一方で、毎月一定の元金への返済金額に手数料(利息)を追加した金額を返済する方式を、「元金定額返済方式」といいます。これは、一定の返済金額の中に手数料(利息)は含まれておらず、手数料(利息)を上乗せして支払う方法です。
リボ払いの手数料は支払い方式によって変わる
リボ払いにおける返済金額の計算方法は支払い方式によって異なります。方式によってリボ払いの手数料と返済金額にはどれくらい差があるのでしょうか。元利定額返済方式と元金定額返済方式を比較してみましょう。
元利定額返済方式
元利定額返済方式では、毎月の返済金額が一定で、その中に利息(リボ払い手数料)が含まれます。
毎月の返済金額が同じなので資金管理が比較的簡単ですが、元金が今いくらあるのかが把握しにくいと感じる場合もあります。初めのうちは返済金額に占めるリボ払い手数料の割合が多く、利用残高が少なくなると元金部分の占める割合が多くなります。
元金定額返済方式
元金定額返済方式では、元金部分の支払が固定され、それに毎月の利息分がプラスされます。そのため、毎月の返済金額が変わります。
元金の減り方が一定なので、利用残高の把握は簡単ですが、返済金額の資金管理に難しさを感じる場合もあるでしょう。こちらも元利定額返済方式と同様に、利用残高が少なくなってくると、リボ払い手数料部分の支払いが徐々に減ってきます。
2つの方式をリボ払い手数料の視点で比較してみると、元金定額返済方式のほうが毎月の返済金額が多いですが、早く返済を終えることができリボ払い手数料の総額は少なくなります。
リボ払いと分割払いの手数料の違いはある?
リボ払いは、利用残高の合計に対して手数料が発生します。これに対し、分割払いの場合は、1件ごとの決済に対して手数料が発生します。
例えば、5万円と7万円の商品を購入した場合、リボ払いの場合は合計の12万円に対して手数料がかかりますが、分割払いの場合は5万円と7万円の金額それぞれに対して手数料が発生することになります。
一般的には、分割払いの場合は2回払いで利用すると手数料がかかりません。3回以上に分けて支払う分割払いになると手数料が発生しますので、支払回数を少なく設定すればするほど、完済までの手数料を抑えられることになります。
リボ払いにかかる手数料(利息)の計算方法
ここでは、リボ払いにかかる手数料(利息)の具体的な計算方法についてご説明します。手数料率(金利)は年15%~18%程度となっており、手数料(利息)は以下の計算式で求められます。
リボ払い手数料(利息)=利用残高 × 手数料率(金利)÷ 365日(※) × 利用日数
(※)うるう年は、365日が366日になります。
例えば、買い物で50万円を手数料率(金利)15%で利用した場合、最初の1カ月(30日間)で発生する利息は、計算式に当てはめると以下となります。
リボ払い手数料(利息)=50万円 × 15%÷ 365日(※) × 30日=6,164円
各クレジットカード会社のホームページなどでは、毎月の返済金額や完済までの支払い総額をシミュレーションできる計算ページが用意されていますので、利用を検討する際に確認しておくとよいでしょう。
関連リンク:ご返済シミュレーション
分割払いと比べてリボ払いは損をするって本当?
リボ払いの場合、月々の返済金額を少なく設定すればするほど完済までの返済回数は増え、支払総額も増えることになります。一方で、分割払いよりも少ない返済回数となるように毎月の返済金額を設定すれば、分割払いよりもリボ払いのほうが支払い総額を抑えられることになります。
単純に分割払いは得、リボ払いは損ということではありませんので、リボ払いと分割払いの違いを踏まえて支払い方法を使い分けましょう。
リボ払いの手数料が多くなるケースは?
リボ払いは使い方によっては手数料が多くなってしまうことがあります。例えば次のようなケースが考えられます。
・毎月の返済額を少なめに設定している場合
返済額が少ないと、残高がなかなか減らずに支払いが長期化するため、他の返済方法に比べると手数料が多くなってしまいます。
・自動的にすべての決済がリボになる契約をしている場合
リボ払いは先述した通り、分割払いと比較して支払管理が簡単な一方で、借入残高の管理の難易度が高くなります。決済がリボ払いしか選択できない場合、使えば使うだけ借入残高が増えてしまい、それに応じて返済額も調整するなど、バランスをとらないと残高が減っていきません。
・使った後でリボに変更することが多い
クレジットカードは使った後でもリボ払いに変更することができます。支払いを先延ばしにするといった目的で、使った後からリボ払いに変更を頻繁に行っていると手数料は減りません。
リボ払いで手数料(利息)を増やしすぎないための注意点
リボ払いで手数料を払いすぎて損をしないための注意点について解説します。
無計画に利用しない
そもそもクレジットカードやカードローンには利用限度枠が決められており、リボ払いの場合は完済まで毎月返済していく必要があります。利用限度枠に対しての利用残高や自身が完済できそうな金額、回数を確認してから利用しましょう。
目的と利用額上限を決め、ルールに従って使う
リボ払いを利用する場合も、計画性が大切です。一回いくら以上の支払いだけにしか使わない、利用残高はいくらまでにするなど、自分の中でしっかりルールを決めておくとよいでしょう。
繰上げ返済、一括返済を積極的に活用する
リボ払いでは、途中で繰上げ返済をしたり、一括返済で一気に完済したりすることも可能です。返済に余裕があれば手元にまとまった資金が入ったタイミングで繰上げ返済を行ったり、利率の低いカードローンを使って借換えを行ったりすることで、利息の支払いを減らすことができます。
カードローンを賢く使いましょう
カードローンの例を挙げると借換えがあります。借換えとは、複数社でのカードローンの契約を一社でまとめることです。借換えを行うことによって、月々の返済のタイミングが一度で済むほか、借換えを行う事で手数料(利息)の総額を減らせる可能性があります。
これらを上手く活用し、完済までの利息を抑えながら利用するようにしましょう。
関連リンク:リボ払いの返済のコツはある?返済が終わらない原因・理由などを徹底解説!
まとめ
ここまでリボ払いの仕組みや手数料(利息)、分割払いとの違いについて解説してきました。リボ払いは、その仕組みや内容をよく理解してから利用すれば、買い物をより便利に、快適にしてくれる手段にもなります。また、金利0円サービスなどの無利息期間を利用し手数料(利息)を抑えることもできるので、カード会社を選ぶ際に検討要素の1つにしてみてはいかがでしょうか。
執筆者:
山崎 貴史
ファイナンシャルプランナー(CFP)、中小企業診断士、証券アナリスト
個人向けに幅広いファイナンシャルプランニングや、法人向けには中小企業に対して売上向上につながる企業支援を積極的に行っている。