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2024.10.24

クレジットカードが払えないとわかったらどうするべき?滞納してしまうリスクも解説 wave

クレジットカードの利用代金が支払えなくなると、クレジットカードの利用を停止されたり、他のローンやクレジットカードの審査に影響が出たりすることもあります。この記事では、クレジットカードの利用代金を支払えないとどのようが起こるのでしょうか。また、クレジットカードの支払いに困ったときにはどのような対処法があるのかについて解説します。

  1. クレジットカードの利用代金が払えない場合どうなる? 
  2. 学生が利用代金を払えない場合はどうなる? 
  3. クレジットカードの利用代金が払えない場合の対処法
  4. クレジットカードの利用代金が払えない時にやってはいけないNG行動
  5. まとめ

クレジットカードの利用代金が払えない場合どうなる? 

カード 男性 困った様子

クレジットカードの利用代金を払わないと、さまざまなペナルティが発生します。ここでは、払えなくなってしまったときの流れを確認していきます。

一時的なクレジットカードの利用停止

クレジットカードの支払いが遅延すると、クレジットカードの利用が停止されます。クレジットカード会社により期間は異なりますが、概ね支払日の数日後にはクレジットカードの利用が停止されます。

クレジットカードの利用が停止されると、電気代などの光熱費や携帯電話代などをクレジットカードで支払っている場合には、これらの支払いもすべてできなくなってしまうので注意しましょう。

延滞しているクレジットカードの入金を行えば利用停止が解除されますが、クレジットカード会社が入金を確認してからの対応になるため、入金から解除まで2~3営業日かかる場合もありますので気をつけましょう。  

遅延損害金の発生

クレジットカード利用代金の支払日が過ぎると、遅延損害金というものが発生します。

したがって支払日を過ぎた後に支払いをする場合には、遅延損害金も併せて入金する必要があります。

ただし、クレジットカード会社の中には、本来の支払日に引き落としができなかった場合、翌日~数日後に再度引き落としが行われる、再引き落としの制度を取っているところもあります。再引き落としで支払いが行われた場合には、遅延損害金は発生しないこともあります。

もし支払日に入金が間に合わなかった場合は、念のため、アプリや問い合わせ窓口に連絡するなどして、遅延損害金の有無を確認しましょう。

支払いに関する案内・督促状の発送

支払日以降、支払いをせずにそのままにしていると、1週間程度で支払いに関する案内、もしくは督促状が送られてきます。

案内や督促状には今回の支払金額及び遅延損害金が記載され、支払方法や問い合わせ窓口も記載されています。案内や督促状が来たら、すぐに問い合わせ窓口に連絡しましょう。

窓口からは分割払いやボーナス払いなどが提案されることがあるので、自分で払うことのできるプランを選択して支払うようにしましょう。もし連絡をせずに滞納を続けていると、次のステップに進んでいきます。  

他社での借り入れ・ローンなど審査への影響

延滞の情報は信用情報機関に記録され、クレジットカード会社だけでなく、消費者金融や銀行とも共有されています。また、延滞の記録は、数年間消えません。

したがってクレジットカードを延滞している際に、新たな金融会社から借入を行い返済に充てようとしても、すでに延滞の情報があるため、新たなローン契約の審査に影響が出る可能性があります。

個人信用情報機関への登録

延滞をしてしまうと、個人信用情報機関に延滞の記録が登録されます。日本には個人信用情報機関が3つあります。

信用情報機関の種類主に利用する会社
JICC(日本信用情報機構)クレジットカード会社、消費者金融
CIC(クレジットインフォーメーションセンター)クレジットカード会社、信販会社
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行

以前は各社の情報は共有されていませんでしたが、現在では情報は3社で共有されています。一旦記録が登録されると、記録は数年間残ります。自分の信用情報は手数料を払えば自分で確認することができますので、不安がある場合には確認するようにしましょう。

利用代金の一括請求

一般に延滞後3か月程度が経過すると、クレジットカードが強制解約されることが多いです。強制解約された場合は、期日の来ていない利用代金の残高も一括して請求されるので注意しましょう。これを「期限の利益の喪失」といいます。

クレジットカードの利用は、将来の一定期日まで代金の支払いを待ってもらうという仕組みです。この将来の一定期日まで代金の支払いを待ってもらうことを、「期限の利益」といいます。

しかし滞納をすると、クレジットカード会社は、将来の支払いを待つのは危険と考え、一定期日まで支払いを待つ「期限の利益」をなくして、一括請求を行います。一括請求時には、リボ払いにしていた金額も期限の利益が喪失し一緒に請求されますので、注意しましょう。  

財産の差し押さえ

さらに滞納が続く場合には、クレジットカード会社より訴訟が行われる可能性があります。訴訟へ移行するタイミングはクレジット会社により異なります。

その後数カ月の裁判が行われ、敗訴が確定してもなお支払いがされない場合には差押えが行われます。差押えとは、滞納している人の財産の処分を禁じることです。差押えは動産や不動産だけでなく、給与などの債権も対象です。給与が差し押えられると、毎月の給与の一定額が強制的に差し引かれるという事態も想定されます。

このように延滞が続くと裁判や差押さえなどにも発展する可能性があるため、きちんと期日を守り、計画的な利用を心掛けましょう。

学生が利用代金を払えない場合はどうなる? 

学生とクレジットカード

日本では18歳で成人を迎えるため、大学生や専門学校生などの学生も、クレジットカードを持つことができます。

利用代金を一時的に延滞しただけであれば、学生生活やその後の就職に大きな影響は及ぼしません。しかし自己破産などをおこなうと、復権するまでは弁護士などの国家資格は登録ができなくなるので、注意が必要です。

なお奨学金については、延滞があっても支給が停止されることはありません。  

親が利用代金を払えない場合は子が払う必要がある?

親が利用代金を払えない場合でも、法的には子は支払う義務はありません。また子が支払えない場合でも、親は支払う義務はありません。

ただし、親や子がそれぞれの保証人や連帯保証人になっていると、支払いの義務が発生します。また親が利用代金を支払わずに亡くなった場合にも、支払い義務は相続人に移転します。

家族であることを理由に支払いを要求されることもあるかもしれませんが、親が存命中で、保証人や連帯保証人でなければ、支払いを拒絶することができます。もし親の利用代金について請求されることがあれば、違法の可能性があるので、警察や弁護士に相談しましょう。

なお、親が子の、もしくは子が親の利用代金を肩代わりすることは可能です。

クレジットカードの利用代金が払えない場合の対処法

クレジットカードとカレンダー

ここでは、クレジットカードの利用代金が支払えない場合の対処法を解説します。もし、クレジットカードの利用代金が支払えない事態に陥った場合は、状況によって最適な方法を検討してください。

単なる支払い忘れの場合

単なる支払い忘れの場合は、すぐに引落口座に利用代金を入金しましょう。クレジットカード会社にもよりますが、多くの会社が再引き落としという制度を取っています。

支払日から毎日再引き落としをする会社もあれば、一定期間後に再引き落としをする会社もあります。再引き落としの場合には、遅延扱いとはならず支払いがされます。使っているクレジットカードが再引き落としに対応しているかどうかわからない場合は、クレジットカード会社に確認してください。

クレジットカード会社が再引き落とし対応しておらず、銀行振込を指定されたら、振込先の銀行口座の詳細を聞いて振り込みます。支払いが遅れると遅延損害金が発生しますので、振込先を聞く際には遅延損害金の有無も確認し、合わせて振り込みましょう。

今は払えなくても後日支払える場合

今は払えなくても数日待てば払える場合は、クレジットカード会社に連絡して、どのような解決策があるか相談しましょう。

給料日など収入の目処があり、後日支払える場合には、クレジットカード会社になぜ支払日までに入金ができないかの理由を、きちんと説明しましょう。

また、いつまでに支払えるのか期日をはっきりさせることも重要です。クレジットカード会社に早めに相談していけば、いろいろな対策を提示してくれることもあります。

まとめて払えないが分割でなら支払える場合

支払金額を1回でまとめて払うのが難しい場合は、分割で支払う方法もあります。多くのクレジットカードでは、1回払いを後からリボ払いにできるサービスがあります。

ただし、変更できるのは支払日の1週間前から数日前までです。事前にアプリなどで支払金額を確認して、1回で支払うことができないようであれば、リボ払いなどの分割払いに変更しましょう。支払日を過ぎてしまうと基本的には分割払いへの変更ができませんが、クレジットカード会社に連絡して、返済の見通しをしっかりと伝えれば、変更できる可能性はあります。

なお、分割払いにすると手数料が発生します。つまり分割払いの金額に加えて手数料が上乗せされますので、総支払額は1回払いのときよりも多くなります。また毎月のクレジットカードの支払額に分割払い分が上乗せされるので、恒常的にクレジットカードを使用している人は、次月からの支払額が増加することに注意しましょう。

ボーナスがある場合

会社員などでボーナスがある場合には、ボーナス払いを利用することも検討してみましょう。

個人事業主などでボーナスがない人も、ボーナス払いが利用できないわけではありません。ボーナス払いとは、夏か冬のどちらか1回、もしくは夏と冬の2回に分けてクレジットカードの支払いをおこなう方法です。ボーナス払いはリボ払いとは異なり、手数料が発生しない点が有利ですが、すべてのクレジットカードで使えるわけではありません。  

クレジットカードの利用代金が払えない時にやってはいけないNG行動

クレジットカードの利用代金が払えない時にとる行動としてNGなものを3つあげます。

① なにも行動を起こさない(督促の無視)
クレジットカードの利用代金が支払えないまま、クレジットカード会社に連絡しないなど、なにも行動を起こさないでいると、ペナルティを受けることになります。
さらに、督促を無視しているとやがて裁判となり、敗訴が確定すると給与などの差押えをされることもあります。また、信用情報に延滞が記録されることとなり、その後のクレジットカードの作成や住宅ローンなどの審査に影響がでます。支払いができないと判明した場合には、早めにクレジットカード会社に連絡して、対策を取るようにしましょう。

②クレジットカードの現金化

クレジットカードの現金化とは、クレジットカードで購入したものを現金化業者などに買い取ってもらい現金を得ることです。購入するものは、商品券など現金化する価値の高いものであったり、現金化業者が指定する商品であったりします。
クレジットカードの現金化は、クレジットカードの規約に違反しているため、発覚した場合にはクレジットカードが強制解約されることもあります。

③ 無登録業者や個人間融資の利用
SNSなどでは、お金を貸しますなどの書き込みがあります。しかしこのような書き込みをする人は、貸金業登録をしていない違法業者であったり、闇金業者がなりすましていたりする可能性があります。
貸金業社はきちんと届出を行い貸金業法という法律の下で貸金業を営んでいますが、届出を行っていない違法業者は、法外な金利や違法な取り立てを行ったり、個人情報を取られ金融犯罪に巻き込まれたりする可能性が高いです。容易に借りられそうだからといって、無登録業者や個人間融資を利用することは絶対にやめましょう。

まとめ

クレジットカード券面

クレジットカードの利用代金が支払えないとわかった場合は、支払日前であれば支払日の変更をしたり、リボ払いなどにして支払金額を減らしたりするなどの方法があります。もし支払日を過ぎてしまった場合には問い合わせ窓口に相談して、早期に滞納状態の解消を図りましょう。

滞納を放置すると信用情報に異動情報が記載され、他のローン審査などにも影響します。支払いのためのお金の調達方法はいろいろあるので、自分にあった方法を選択してください。ただしNGな行動をしないように気をつけましょう。


執筆者:青野泰弘

ファイナンシャルプランナー 同志社大学法学部卒業後、国際証券に入社。その後トヨタファイナンシャルサービス証券、コスモ証券などで債券の引き受けやデリバティブ商品の組成などに従事。2012年にFPおよび行政書士として独立し活動中。

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