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2024.10.24

歯医者での治療費が払えない場合の対処法を一挙紹介!費用の目安も治療別に解説! wave

歯医者での治療費は、治療内容や虫歯などの進行段階によって大きく異なります。そのため治療によっては高額な費用がかかり、治療費が払えないこともあるかもしれません。

本記事では、歯医者の治療費の目安を治療別に解説したうえで、治療費が払えない場合の対処法を紹介します。

  1. 歯医者の治療費のほとんどは公的保険の対象
  2. 歯医者の治療費の目安はいくら?
  3. 治療費が払えない場合の対処法は?
  4. できる限り治療費を抑える方法は? 
  5. まとめ

歯医者の治療費のほとんどは公的保険の対象

保険の文字の写真

歯医者の治療の多くは公的医療保険の対象となります。公的医療保険とは、国民全員が加入する保険で、病気やケガをしたときにかかる医療費を、加入者や事業者が保険料を出し合うことで支えあう制度です。加入している健康保険の保険証を医療機関の窓口に提示することにより、患者の自己負担はかかった医療費の1~3割となります。

ただし一部の歯科治療については、公的医療保険の対象とならないものもあります。公的医療保険の適用対象外となる治療を、自由診療といいます。

以下は公的医療保険の対象(保険適用)となる歯科治療と自由診療の歯科治療の例です。

●保険適用および自由診療の歯科治療

保険適用自由診療(保険適用外)
  • 充てん:虫歯の穴をきれいにし、材料をつめてもとの形に修復する方法 
  • 鋳造歯冠修復(インレー等):歯を削り、その型をとって模型上で詰め物を作ってもとの形に修復する方法
  • 前装冠:虫喰いの部分が大きくて、充てんやインレーでは回復できない場合、天然歯に類似した色調の材料で表面を覆う方法
  • ジャケット冠:天然の歯に類似した色調をもつ材料だけで歯冠部の全表面を覆う方法
  • ブリッジ:なくなった歯に隣接する歯を削って被せ、それを土台に人工の歯を固定装着する方法
  • 有床義歯(入れ歯)
  • ホワイトニング
  • 歯科矯正
  • 金属床義歯:土台部分を金属で作った入れ歯
  • ジルコニアセラミッククラウン:内側にジルコニアを使用し、上からセラミックを焼き付けた被せ物
  • 貴金属クラウン・インレー
  • ラミネートベニア等 その他先進医療
  • インプラント
  • 歯周病専門治療
  • 顕微鏡歯科
  • 歯髄再生保存処置

歯医者によって治療費が異なるのはなぜ?

歯医者によって治療費が大きく異なる場合があります。歯医者の治療には保険適用と自由診療の2つがありますが、保険適用の治療の場合、厚生労働省が定めている診療報酬の点数によって治療費が決まるため、同じ治療内容なら基本的に大きく金額が異なることはありません。

一方で自由診療は治療費を自由に決められるので、歯医者によって金額に差が出やすくなっています。また、保険適用の治療と自由診療の治療を組み合わせた「混合診療」の場合も、治療費に差が出ることがあります。混合診療は原則禁止されていますが、虫歯の治療のあとセラミックなど、保険適用外の被せ物をする場合などは例外的に認められることがあるためです。

自由診療の治療では高額な治療費となる場合があるため、治療が始まる前に保険適用の治療かどうか確認しておくことが大事です。

歯医者の治療費の目安はいくら?

領収書とまるの写真

ここでは歯医者のおもな治療内容ごとに、治療費の目安をご紹介します。治療内容によってかかる費用が大きく異なるため、自分の歯の治療にかかる費用がどの程度か大まかな金額を知っておくことが重要です。

初診時の費用

初診時には、治療費とは別に初診料がかかります。初診料とは、歯医者で新たに病気の治療を始める際に支払う費用のことです。例えば、今まで通っていた歯医者でも、新たに虫歯が見つかって治療をする場合は初診料がかかります。また、同じ病気でも前回の受診から一定期間(3ヵ月以上など)空いた場合にも、再度初診料がかかります。

初診料は厚生労働省の診療報酬の点数によって決まります。令和4年12月現在の点数は264点、1点あたり10円で計算されるので、初診料は2,640円です。健康保険の自己負担が3割の人なら792円を窓口で支払うことになります。

初診時にはレントゲン撮影などの画像診断、歯周病検査、スケーリング(歯石や歯垢の除去)などを行う場合があるため、治療費は別に合計3,000円~4,000円程度の費用がかかることが一般的です。

虫歯の治療費の目安

虫歯の初期段階では保険適用の治療で対応できることが多く、治療費も安く済みますが、症状が進行すると治療回数も多くなり費用も高くなっていきます。詰め物や被せ物の素材が保険適用外となる場合は、さらに高額になります。

虫歯の治療費の目安は進行段階によって以下のとおり異なります。

●虫歯の治療費の目安

虫歯の進行段階治療内容治療費の目安
初期歯を少し削って、レジンと呼ばれる白い詰め物をする
治療回数の目安:1~2回
1,500円~3,000円(保険適用)
中期虫歯削った後に型を取って詰め物をする(レジンで治療できない場合)
治療回数の目安:2~3回
保険適用 :2,000円~1万円 
自由診療:5万円~(詰め物の素材による)
神経を抜く場合根幹治療のあと土台を作ってと被せ物をする
神経を抜いたあとの清掃に複数回通院が必要
保険適用:7,000円~2万円
自由診療:10万円~15万円
歯を残せない場合抜歯のあと、ブリッジ、部分入れ歯、インプラントなどでなくなった歯を補完する抜歯:3,000円~7,000円(保険適用)
ブリッジ、部分入れ歯、インプラントの費用は後述

歯周病の治療費の目安

歯周病とは、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間に細菌が入って起こる病気です。症状は歯茎の腫れや出血などから始まり、進行すると歯の骨が溶けて歯がぐらつくようになります。最終的に歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病の治療内容はおもにブラッシング指導と歯周ポケットの歯石除去ですが、進行が進むほど歯石の除去に時間がかかることが多いため、その分治療費も高くなります。重度になると、歯周ポケット内の傷んだ歯肉をきれいにする処置も必要になり、抜歯が必要になることもあります。

歯周病治療にも、精密検査や細菌の除去に自由診療が用いられる場合があります。精密検査では、唾液検査や特殊な顕微鏡を使って口の中にいる細菌を詳しく調べる方法、歯科用CTを使って3次元的に歯やあごの骨の状態を把握する方法などが一般的です。

細菌の除去には、殺菌作用のある特殊な薬剤が入ったマウスピースを付ける方法、超音波やレーザーを使って治療回数を抑えて痛みも少なくする方法などがあります。

●歯周病の治療費の目安

歯周病の
進行段階
症状など治療費の目安
初期歯茎の腫れがあり、触ると出血する
自覚症状がないことも多い
治療回数の目安:4回程度
保険適用:5,000円~1万円
自由診療:1万円~5万円
中期歯の骨が半分ほど溶けてしまっている状態で歯茎が下がり歯が長くなったように見える
しっかり治療すればまだ歯が残せる段階
治療回数の目安:6回以上
保険適用:1万円~5万円
自由診療:5万円~50万円
重度歯の骨が3分の2以上溶けてしまっている状態で歯茎に膿が溜まり歯のぐらつきが大きくなる
最終的には歯が抜けてしまうこともある
治療回数の目安:10回以上
保険適用:3万円~10万円
自由診療:20万円~300万円

親知らずなど、抜歯後そのままにする場合の治療費の目安

親知らずや虫歯の抜歯は、基本的に保険が適用されます。親知らずなどを抜歯する際、かみ合わせなどに問題がなければ補完せずそのままにするケースもあるでしょう。簡単な抜歯なら、薬代やレントゲン撮影なども含めて1,500円~3,000円程度が目安です。

親知らずが歯茎に埋まっているなどして歯茎を切ったり骨を削ったりする場合はCT検査が必要になることもあります。このように抜歯の難易度が高い場合は5,000円~7,000円程度の治療費がかかります。

ブリッジを使う場合の治療費の目安

ブリッジとは、なくなった歯の両側の歯を削って土台とし、そこに人工の歯を被せる治療方法です。歯科用接着剤で土台となる歯に取り付けるため、入れ歯のように取り外しの手間がありません。

一方でブリッジを支える両隣の歯に負担がかかりやすいといったデメリットもあります。ブリッジは保険適用内で治療できますが、セラミックなどの美しい白色の素材を使う場合は自由診療となります。特に前歯は人目に触れる機会が多いため、自由診療が選ばれるケースが多く見られます。

またブリッジは自分では汚れを取るのが難しい構造をしているため、治療が終わったあとも定期的なメンテナンスが必要です。

ブリッジの治療費の目安は保険適用と自由診療でそれぞれ以下のとおりです。

●ブリッジの治療費の目安

保険適用の有無治療費の目安(1本あたり)
保険適用1万円前後
自由診療
  • ハイブリッドセラミック:5万円~8万円
  • メタルボンド:8万円~10万円
  • オールセラミック:12万円~15万円

部分入れ歯を使う場合の治療費の目安

部分入れ歯は、部分的になくなった歯を補う治療方法です。残っている歯に金属製のフックをひっかけ、入れ歯を安定させます。ブリッジやインプラントより安く治療できること、付け外しができるため手術が必要ないことがメリットです。

一方で、劣化しやすいため、5年程度で作り直しが必要になります。また、笑ったときなどに金属が目立って見た目が悪くなるといったデメリットもあります。

部分入れ歯は保険適用で治療できますが、金属製以外のフックを用いて見た目をよくしたり、耐久性や安定性を高めたりする場合は、保険適用外の素材が使われることもあります。

治療費の目安は保険適用と自由診療でそれぞれ以下のとおりです。

●部分入れ歯の治療費の目安

保険適用の有無治療費の目安
保険適用5,000円~1万5,000円
自由診療8~80万円

インプラントを使う場合の治療費の目安

インプラントとは、抜歯後にチタン製のネジを顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を被せる治療です。インプラントは顎に埋め込んだネジが歯根の役割を果たすため、ブリッジや部分入れ歯より「噛む」機能を回復させやすく、口内の違和感が少ないといった特徴があります。しかしその一方で治療期間が比較的長く、治療後は定期的なメンテナンス(検診やクリーニング)も必要です。

インプラント治療は原則自由診療となります。インプラント治療で保険が適用されるケースは限られており、虫歯や歯周病などで失った歯を補完する場合の治療は公的医療保険の対象外です。そのため歯の治療の中でも費用が高額になりやすく、治療費の目安は1本あたり20万円~40万円程度かかります。

治療費が払えない場合の対処法は?

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歯の治療費が思いのほか高額になり、支払いが難しくなるケースもあるかもしれません。ここでは、そのような場合の代表的な対処法を紹介します。それぞれメリット・デメリットがあるので、よく理解したうえで自分にとって最適な方法を選びましょう。

歯科医に相談する

歯の治療費の支払いが難しい場合は、まず治療を受けている歯医者に相談することをおすすめします。歯医者によっては支払いのタイミングの調整ができたり、分割での支払いに応じたりしてくれる場合があるためです。

ただし全ての歯医者で相談を受けてくれるとは限らないため、一度相談してみて支払いのタイミング調整や分割払いが難しいようなら、別の方法を検討しましょう。

友人・家族から借りる

友人や家族にお金を借りて、治療費を準備する方法もあります。金融機関のように審査や金利がないため借りやすいというメリットはありますが、返済が遅れるとトラブルに発展することもあるので注意が必要です。

口約束だけでは聞き間違いや記憶違いが起こりやすく、トラブルの元となります。借りた金額や返済期日などがうやむやにならないよう、親しい仲でも借用書を作成して書面で残しておくようにするのがよいでしょう。

医療費控除を使う

医療費控除とは、所得税や住民税の計算に用いられる所得金額から一定額を差し引ける「所得控除」という制度のひとつです。年間10万円を超える医療費を支払った場合、確定申告することで控除が受けられ、所得税や住民税の還付・減額が受けられます。

会社員などで年末調整をしている人でも医療費控除は確定申告が必要になるので、忘れずに手続きしましょう。

医療費控除の金額の計算方法は以下のとおりです。

医療費控除の金額(所得から差し引ける金額) 
=支払った医療費の合計額 ー 保険金など補填される金額 ー 10万円(※1)

(※1)その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5パーセントの金額

ただし、実際にお金が戻ってくるのは対象となる医療費を支払った翌年なので、いったん歯医者の窓口で治療費を支払う必要があります。そもそも窓口で治療費を支払うのが難しい場合は、ほかの方法での準備が必要です。

クレジットカードで払う

歯医者のなかには、治療費をクレジットカードで支払えるところもあります。クレジットカードの支払い回数が選べるようなら、分割払いを選ぶことで1回あたりの支払いの負担を軽減できます。

ただし歯医者によっては治療費をクレジットカードで支払えない場合もあるので、事前に確認をしましょう。またクレジットカードの分割払いは、3回以上の場合手数料がかかるため、1回払いや2回払いよりトータルの支払い金額が多くなってしまう点にも注意が必要です。

また高額の治療費をクレジットカードで支払う場合、支払い金額が利用可能額の範囲内に収まっていることも確認しておきましょう。

銀行から借りる

銀行から融資を受けて、治療費を準備するという方法もあります。歯の治療費を目的として借りられるローン(融資)には、資金の使い道が自由なフリーローンやカードローン、デンタルローンなどがあります。

銀行のローンを利用するためには審査に通る必要があります。審査基準は銀行によって異なりますが、収入や職業・年齢、他のローンの有無などの情報から、総合的に判断されることが一般的です。

返済時には一定の金利を上乗せして支払う必要があります。また返済が遅れると、金利とは別に遅延損害金も支払わなければなりません。さらに延滞情報が信用情報機関に登録されてしまうので、計画的に返済できる金額で借りることが大切です。延滞情報が登録されるとほかのローンやクレジットカードの契約ができなくなる可能性があります。

デンタルローンを利用する

デンタルローンは信販会社や銀行が提供している歯科治療費に特化したローンで、歯医者と提携しているものもあります。自由診療の治療費にも利用できるため、公的医療保険がきかず費用が高額になった場合の対処法として、検討しやすい方法のひとつです。

また、カードローンやフリーローンと比べて金利が低いことが多いので、金利負担を抑えながらローンを利用したい人は検討してもよいでしょう。

ただし利用する際には審査が必要です。また返済時に金利を支払う必要がある点は、銀行のローンと同様です。返済が遅れると遅延損害金が発生して、信用情報機関に登録される点にも注意しておきましょう。

カードローンを利用する

カードローンは消費者金融や信販会社、銀行が提供しているローンで、利用限度額の範囲内で何度でも借りられます。資金の使い道も自由なので、歯の治療費を準備したい場合にも利用できます。

カードローンには審査がありますが、銀行と比較して消費者金融のほうが融資までの時間が短いことが一般的です。例えば、アコムでは最短20分でお借入することができます(※2)。そのためすぐに治療費を準備したい人は検討してみるのも一案です。

ただし銀行のローンやデンタルローンと同様、返済時には金利を支払う必要があります。返済が遅れると遅延損害金がかかるなどのデメリットもあるため、無理なく返済できる金額で借りるようにしましょう。

(※2)お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。

できる限り治療費を抑える方法は? 

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歯医者の治療費を抑えるには、早めの受診が大切です。前述のとおり、症状が進行してしまうと治療の回数が多くなり、公的医療保険で対応できない治療が必要になることもあります。歯を失ってしまいブリッジやインプラント治療をすると、その後のメンテナンスにも費用がかかります。

定期的な歯科検診も怠らないようにしましょう。虫歯や歯周病の初期段階では自覚症状がないことも少なくありません。目視だけの虫歯チェックだけでなく、レントゲン検査や歯周病チェックもしてくれる歯医者を選ぶとよいでしょう。

虫歯を予防するために、正しい歯磨きや生活習慣を心がけることも必要です。予防歯科に力を入れている歯医者なら、ブラッシング指導や生活習慣指導などで虫歯や歯周病のリスクを減らすアドバイスをしてくれるところもあります。

まとめ

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歯医者の治療といっても、その内容はさまざまです。治療内容や病気の進行段階によって治療費は異なり、また公的医療保険の対象とならない自由診療の場合、治療費は高額になることも少なくありません。
歯医者の治療費が高額になってしまい払えない場合は、今回紹介したような方法を検討しましょう。それぞれのメリット・デメリットをふまえたうえで、自身に適する方法を選ぶことをおすすめします。


執筆者:鈴木靖子
ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー) 銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わる中、その経験を個人の生活にも活かしたいという思いからFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。  

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