スマートフォンは、今や現代における3種の神器ともいわれ、生活必需品となっています。
スマートフォンを使うためには、通信料や通話料、機種代などの携帯代を支払う必要がありますが、なんらかの理由で携帯代を滞納してしまった場合は、スマートフォンが使用できなくなることがあります。そのような状況に陥ると、友人知人への連絡だけでなく、インターネットで情報収集することもできなくなってしまいます。
そこで今回は、携帯代が支払えない場合のリスクとその対処法について解説します。
携帯料金を滞納するとどうなる?
携帯代を滞納してしまった場合、すぐにスマートフォンが使えなくなったり、解約になったりすることはありません。ここでは、全体の流れを6つのステップに分けて解説します。
① 支払い期限が記載された請求書の通知が届く
支払期日までに引き落としができない場合、一定期間後、携帯電話会社から請求書または催促が、SMSや自宅宛の郵送物で届きます。各携帯電話会社によって、送られてくるタイミングや対応に違いはありますが、支払期日から10日前後のタイミングで送られることが一般的です。この段階で支払いができれば、利用停止になることはありません。
② 利用停止の案内通知が届く
請求書や督促状で指定された日までに携帯料金の支払いができない場合、次に届くのが利用停止の案内通知です。「指定された日までに支払えない場合、利用を停止します」という内容が記載されており、請求書・督促状が届いてから1週間程という短い期間で届きます。
利用停止の通知は、郵送やハガキではなく、SMSやメールで届く場合があるため、見落とさないように注意する必要があります。利用停止通知はあくまで事前通知のため、携帯電話がすぐに利用できなくなるわけではありません。記載の期日までに携帯代の支払手続きを行えば、翌月以降も引き続き問題なく利用できます。
③ 携帯の利用ができなくなる
利用停止の通知が届いたあとも支払わずに滞納を続けると、利用停止日に回線が停止し、通話や携帯電話会社の通信回線を使ったインターネットの利用ができなくなります。キャリアメールを使っている場合には利用できなくなりますが、この時点では契約は続いているため、支払い手続きをおこなえば、再度使用できるようになります。
④ 強制的に解約される
回線が停止されたあとも支払い手続きを行わずにいると、強制解約となります。強制解約となった場合、契約が解除されたことになるため、携帯代を支払ったとしても、再びスマートフォンを使用することはできませんし、これまで使用していた電話番号やキャリアメールアドレスも使用不可となります。
なお、支払期日から強制解約にいたるまでは、およそ2~4か月の期間があります。
⑤ 債権回収業者から携帯料金滞納分の通知が届く
強制解約となっても、支払い義務がなくなるわけではありません。そのため、債権回収業者や弁護士から滞納分の取り立て通知が届きます。この段階まで進むと、不払者情報の管理機関であるTCA(一般社団法人電気通信事業者協会)やTELESA(一般社団法人テレコムサービス協会)に情報が登録されてしまう可能性があります。
⑥ 裁判所から支払督促等の手続が始まる
債権回収業者や弁護士からの取り立てに対して支払いをしないでいると、裁判所による支払督促の手続きが始まります。裁判所からの通知を無視すると、民事訴訟・強制執行により、給与や預金といった財産の差押えを受ける可能性があるため注意が必要です。
携帯料金を滞納した場合に注意するべきリスク
携帯代を滞納することによる影響は、スマートフォンが使えなくなるだけではありません。ここからは携帯代を滞納した場合のリスクを4つ解説します。
利用停止・解約になる
スマートフォンが解約になると、利用していた番号での再契約は難しくなります。そのため、ネットサービスを利用する際などに必要な電話番号の記載やメールアドレスを、変更せざるをえなくなります。サービス申込時に電話番号やメールアドレスの記載は必須事項となっている場合も多いため、スマートフォンが解約になることで、日常生活に大きな支障が出てしまいます。
遅延損害金が発生する
携帯代を滞納した場合、通常の通信利用料に加えて遅延損害金(遅延利息)が発生します。遅延損害利率は14.5%に設定されている場合が多いですが、支払期日の翌日から一定期間の利息免除期間があり、期日から10日前後で支払ができれば、遅延損害金が発生しない場合もあります。
遅延損害金の計算式は以下のようになります。
遅延損害金=携帯代(元金)×遅延損害利率÷365日(※)×滞納日数
(※)うるう年の場合は366日
例えば、携帯代8,000円を30日間滞納した場合は以下の金額になります。
8,000円×14.5%÷365日×30日=95円
遅延損害金だけを見ると大きな金額ではありませんが、滞納日数が増えれば増えるほど金額は増えていきますし、契約によっては通信料だけでなく端末代が毎月の支払に含まれるケースもあります。その場合は元金が大きくなるため、遅延損害金も多くなります。
信用情報に異動情報が記録される
日本では個人の支払い能力などを判断するため、指定信用機関が信用情報を蓄積し、各金融機関と情報共有をしています。信用情報機関に滞納情報が記録されることで新規回線の契約や各種ローン審査、クレジットカードの申込、商品の割賦払い契約などに影響が出る可能性があります。
新規契約が難しくなる
スマートフォンを解約されてしまうと、新たに契約することも難しくなります。
各携帯電話会社はTCAやTELESAに加入しており、未払い者の信用情報を共有しています。別の携帯電話会社で新規にスマートフォンを契約しようとしても、信用情報がチェックされるため、5年ほどは通常のキャリアを契約することが難しくなってしまいます。
携帯料金が支払えない場合の対処法は?
携帯料金が支払えないことがわかったら、そのまま放置せず、早急に対策をとりましょう。契約した当初と比べて生活環境に変化があったり、利用料金が増えたりして支払額に無理が生じていることも考えられます。ここでは料金の見直しや支払対策を含め、6つの対処方法について解説します。
まずはキャリアに相談、プランの見直しも
まずは、分割払いや支払期日の延長について、携帯電話会社に相談しましょう。基本的に未払い料金の分割払いや支払期限の延長は認められないケースが多いですが、場合によっては契約プランの見直しにつながることもあります。
事前に携帯代を支払えないことがわかっている場合は、携帯電話の休止手続きをとることで、強制解約を一時的に回避することができます。すぐにお金を払える見込みがないけれど携帯電話番号を維持したい場合のひとつの対応法となり得るでしょう。
知人や家族からお金を借りる
一回限りの滞納を乗り切れば以降の支払いはなんとかなるという場合、その1回を支払うためのお金を確保する方法を検討しましょう。まずは身近でお金を貸してくれる見込みのある知人や家族に相談するのがよいでしょう。
ただし毎月滞納してしまう状況であれば、一時的に借りることではしのげません。料金プランが過大ではないか、別に収入を確保する方法がないかということも、同時に検討する必要があるでしょう。
また、後々のトラブルを回避するためにも、いつまでに返済するのかなどをきちんと話し合いましょう。書面にして残すなど、身近な人であっても、金銭トラブルに発展しないように心がけましょう。
不用品を売却する
スマートフォンの通信料金だけであれば、月に数千円から1万円程度であることが一般的です。家電、本、ゲーム、服、アクセサリーなどの不用品をフリマアプリで売却したり、リサイクルショップで売却したりすることも検討してみましょう。
ただし、フリマアプリの場合、なかなか買い手が見つからなかったり、買い手が見つかっても振込に数日かかったりする可能性があります。すぐにお金を作れる保証がないため注意が必要です。
即日払いの仕事で稼ぐ
近年では、スマートフォンを使って即日払いのアルバイトを申込み、その日にお金を受け取るという働き方ができるようになってきました。短期で働いて賃金を得ることで携帯代をねん出することもできます。
アルバイトを選ぶ際の注意点としては、日払いではなく即日払いの条件で選ぶことが挙げられます。日払いは数日後や週末にならないとお金が支払われないことがありますが、即日払いであれば、仕事が終われば給料を受け取ることができます。携帯代が支払えないことに直前で気づいた場合も、数日あれば資金の確保ができます。
格安SIMに乗り換える
携帯代が支払えないのは、現在契約している携帯代が高すぎる可能性もあります。現在の支払額に負担を感じているなら、格安SIMを検討するのも良い方法です。
格安SIMとは、大手キャリアの回線を借り、自社で通信インフラ費用をかけずに低価格でサービスを提供している業者です。格安SIMに乗り換えることで携帯代が月に数千円安くなるケースもあります。
クレジットカード払いに切り替える
携帯代を口座引き落としにしている場合、口座に残高が不足していれば引き落としができず滞納となってしまいます。そのようなケースが多いという人は、携帯代の支払方法をクレジットカード払いに変更するという方法を検討してみてください。
クレジットカードであれば、クレジットカード会社から支払日に支払われるため、支払期日超過による携帯代の延滞は発生しません。ポイントが付く点や、携帯代の支払を1か月程度先に延ばせるというメリットもあります。
月々の支払額をあとから調整することができるリボ払いなどを利用することにより、ある程度無理のない額に支払いを柔軟に調整することも可能です。
ただし、リボ払いなどの利用には手数料がかかります。また、利用残高の管理を怠って支払い額を少なく調整して先送りすることを繰り返せば、返済不能になってしまうリスクもあるので気を付けましょう。
カードローンを利用する
上記の手続きのほかにもカードローンやクレジットカードに付帯しているキャッシングを利用する方法があります。
カードローンの場合、審査最短20分、最短即日でお金を受け取れることが多く、携帯代の支払日が目前に迫っていて時間がない場合には便利です。
アコムのカードローンでスピード診断
アコムでは申し込みとは別に「3秒診断」という簡易な診断システムを導入しています。
「年齢」、「年収(総支給額)」、「カードローン他社お借入状況」の3つの項目を入力するだけで、お借入可能かどうかすぐに分かります。名前や住所といった個人情報を記載する必要はなく、気軽に診断を受けることができます。また、3秒診断の結果に問題がなければそのまま申し込むことも可能です。
アコムは契約の申込から最短20分で審査回答がくるため、急ぎのご利用にも対応可能です(※)。まずは3秒診断を使用し、お申し込みが可能か確認をしてみましょう。
(※)お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。
まとめ
携帯代が払えないことによる影響は、スマートフォンが使えなくなるだけにとどまりません。損害金などの追加の料金の発生だけでなく、融資が受けられないなどにより、今後のライププランに大きな影響が出る可能性があります。さらに滞納を続けて信用情報に異動情報が記録されれば、その他のローンなどの契約審査にも影響が出てしまう可能性があります。
万が一支払えない状態となった場合のリスクを避けるためにも、対策を考えておくこと、知っておくことがとても大切になります。
執筆者:山崎貴史
ファイナンシャルプランナー(CFP)、中小企業診断士、証券アナリスト
個人向けに幅広いファイナンシャルプランニングや、法人向けには中小企業に対して売上向上につながる企業支援を積極的におこなっている。