クレジットカードの利用限度額を超えていないのに、突然カードが使えなくなるときがあります。
なぜカードが使えなくなるのか、そのときどんな問題が起きているのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
普段から問題なくクレジットカードを利用していくためには、カードが使えなくなる理由はしっかり理解しておきたいものです。
そこで今回は、クレジットカードが利用限度額を超えていないのに使えなくなる理由について、わかりやすく解説します。
クレジットカードが使えない主な理由
買い物をしてカードで支払いをしようとしたら、クレジットカードが使えず困ったという経験はありませんか?
いつも使っているクレジットカードが使えない場合には、なにかしらの問題が発生しています。
クレジットカードが使えなくなったときは、まず、以下の「クレジットカードが使えない理由」に該当していないか確認してみましょう。
支払いに遅れがある
クレジットカードに登録してある引き落とし用の銀行口座の残高が不足していて引き落としができないと支払期日に支払いの手続きが行われず、一時的にクレジットカードは使えなくなります。
クレジットカードの支払期日が近づいてきたら、引き落とし用の銀行口座の残高を確認しておきましょう。
また、アコムのようにATMやインターネット返済を使って自身で支払いの手続きをするクレジットカードの場合、支払期日が過ぎていないか確認しましょう。
クレジットカードの有効期限が切れている
クレジットカードには有効期限が設定されており、その期限が切れると使えなくなります。通常、有効期限が切れる前にカード会社から新しいクレジットカードが届きますので、該当の郵便物が到着していないかを確認するようにしましょう。
使用しようとしたクレジットカードの有効期限が切れていないか確認をしてみて、有効期限が切れていた場合は、カード会社へ問い合わせをするなどクレジットカードの有効期限の更新方法を確認してみましょう。
暗証番号の間違いによりロックされている
クレジットカードでの支払い時に暗証番号を複数回間違えると、使用できないようにロックされてしまう場合があります。
暗証番号を忘れてしまった場合は、カード会社へ連絡して暗証番号を照会するなど対応方法を確認しましょう。
カード情報の入力ミスがある
ネットショッピングなどでクレジットカードの支払い手続きをする場合、カード情報の入力ミスがあるとクレジットカードは使えません。有効期限の月と年を逆に入力していたり、名前の入力が間違っていたりしないか今一度確認をしましょう。
使用カードの国際ブランドに対応していない
クレジットカードにはVisaやMastercard®などの国際ブランドがありますが、店舗によっては特定のブランドしか使えないところがあります。
自分の持っているクレジットカードのブランドが、利用する店舗で使えるブランドかを確認してみましょう。
クレジットカードが使えないその他の理由
ここまで紹介した以外にも、クレジットカードが使えない場合があります。 なかでも、クレジットカードの読み取り部分(磁気ストライプやICチップ)の破損や決済端末の故障、不正利用の疑いなどで利用制限しているものもあるので、確認すべき事項について知っておきましょう。
磁気ストライプやICチップが破損している
クレジットカードの裏面にある磁気ストライプや、表面にある金色の四角いICチップが破損していると、決済端末で情報が読み取れず決済ができない場合があります。
また、クレジットカードは磁気に弱いため、磁石などの磁気を帯びているものに近づけると磁気不良で使えなくなる可能性があるため注意しましょう。
磁気ストライプやICチップが破損している、または磁気不良の可能性がある場合には、カード会社に連絡をしてクレジットカードの再発行をしましょう。
不正利用の疑いで利用制限がかかっている
カード会社によっては不正利用を未然に防ぐため、「不正利用検知サービス」を導入しています。
突然の高額な買い物や、短期間で複数回の利用など、明らかに今までの利用と異なるクレジットカードの利用があると不正利用検知システムが作動し、利用が一時的に制限されカードが使えなくなる場合があります。
その場合にはカード会社に連絡をして、不審な利用がないか確認しましょう。
店舗の決済端末が故障している
店舗のクレジットカード決済端末が故障している場合も、クレジットカードは使えなくなります。
この場合には、ほかのクレジットカードも使えないため、現金払いやQRコード決済など別の支払方法を利用しましょう。
クレジットカードにはキャッシング機能が付帯している場合があります。
店舗の決済端末が故障していて手持ちの現金が無い場合など、キャッシング機能を利用するのも手段の一つです。
クレジットカードの利用限度額とは?
クレジットカードの利用限度額には、一括払いでの買い物が対象の「ショッピング枠」、キャッシング上限額となる「キャッシング枠」があり、これら2つの枠を合わせたものを「総利用枠」といいます。設定されている利用限度額は、総利用枠の金額となります。
たとえばアコムの「ACマスターカード」は、全国のMastercard®加盟店で利用できるショッピング枠と、現金の借入ができるキャッシング枠の2つで総利用枠が設定されています。
また、利用可能額は利用限度額から利用残高を差し引いた金額となります。
利用可能額=利用限度額-利用残高
利用残高の支払いを済ませると支払った金額分だけ利用可能額は戻ります。例えば、利用限度額が50万円で設定されている場合、ショッピング枠で10万円を使ったら、その後の利用可能額は、ショッピング枠、割賦枠、キャッシング枠を合わせて40万円になりますが、支払日に10万円を支払えば、利用可能額は50万円に戻ります。
利用限度額はどう決まる?
クレジットカードの利用限度額は、カード会社がおこなう審査の結果により、利用者が無理なく返済できる範囲で設定されます。
具体的な審査内容は公表されていませんが、以下のような情報を参考にしたうえで総合的に利用限度額が決定されます。
- 年収
- 職業
- 信用情報
年収が高かったり安定した職業についていたりするほど、高額な利用限度額が設定される傾向にあります。また、信用情報に過去支払いが遅れた記録がない方は支払いが遅れる心配がないとして、利用限度額が高くなる可能性があります。
加えて、どのクレジットカードに申し込むかによっても利用限度額の設定は異なります。一般的に、グレードやランクの高いクレジットカードほど利用限度額は大きくなる傾向にあります。
利用可能額はいつ戻る?
クレジットカードの利用可能額が戻るタイミングは、利用残高の支払いをした日となります。例えば登録口座からの引き落としが行われる日や、ATMからショッピング枠に入金をした日などです。
利用残高の一部の支払いをした場合には、支払いが完了した利用残高分だけ利用可能額が戻ります。
アコムの支払いは、インターネットバンキングやアコム店舗のATM・提携ATMからの入金、指定口座への振込、口座振替など自分に合った方法を選択可能です。また、返済金額を多めに支払ったり、一括返済したりすることも可能です。
たとえば、利用限度額が50万円、支払日の請求額が20万円とします。この時点での利用可能額は30万円です。
その後、支払日に20万円の引き落としが完了すると、利用可能額は設定された50万円に戻ります。
利用可能額を戻す方法は?
前述の通り、利用可能額は利用限度額から利用残高を差し引いた金額となります。そのため、利用可能額を戻すには、支払いにより利用残高を減らすことが基本です。
利用可能額を早く戻すおすすめの方法が「繰り上げ返済」です。
繰り上げ返済とは、分割払いやリボ払いで支払っている金額を支払日よりも前に、返済することを指します。
繰り上げ返済をして早く支払ってしまえば、利用可能額をその分早く戻すことができます。
利用残高が減ることにより、リボ払いの場合より手数料を節約することもできますので、お金に余裕があれば、繰り上げ返済がおすすめです。
もし繰り上げ返済をすることにより利用残高を完済できれば、利用可能額を全額戻すことも可能です。
利用限度額の増額方法は?
クレジットカードの利用限度額は、契約時に決まった金額から増額させることも可能です。増額の申込方法はカード会社ごとに異なりますが、公式WEBサイトや会員アプリ、カスタマーセンターなどで対応しています。
増額の方法には以下の2種類があり、必要に応じて使い分けることが可能です。
- 一時的な増額
- 継続的な増額
入院や旅行、冠婚葬祭など特定の月だけ出費が増えそうな場合は、一時的な増額を利用できます。指定した特定の月以外の利用限度額は元の利用限度額に戻ります。
一方、日常生活のなかでクレジットカードを利用する機会が増えている場合は、継続的な増額を検討しましょう。継続的な増額の場合、利用限度額が増額された状態が続きます。
なお、利用者が申し込まなくても、カード会社の判断次第では自動的に増額される場合もあります。
利用可能額の確認方法は?
利用可能額がなくなるとカードを利用できないため、定期的に利用残高を確認することが大切です。
利用可能額の確認方法としては、以下の2種類があります。
WEBやアプリで確認する
もっとも早く正確に確認できるのが、カード会社の公式WEBサイトや会員アプリを確認する方法です。会員向けにクレジットカード情報を公開するページが用意されていることが多く、そこにアクセスすれば利用可能額をはじめとしたクレジットカードの最新の利用状況を確認できます。
アコムのACマスターカードであれば、会員アプリの「myac」で簡単に利用可能額を確認できます。利用明細書の郵送を待ったりカスタマーセンターに電話をかけたりする必要がなく、最新の利用可能額の状況をリアルタイムで知ることができます。
利用明細書を確認する
毎月自宅にクレジットカードの「利用明細書」が郵送される場合、そこに利用可能額情報が記載されているケースもあります。ほかの方法でも時間がかかるわけではありませんが、手元にクレジットカードの利用明細書があるならもっとも簡単に利用可能額を確認できます。
利用可能額の欄に現在の利用金額と併せて利用内容の明細が明記されているため、計画的に利用しましょう。
なお、書面の利用明細書の送付を不要と登録している場合には、書面での確認はできません。書面の交付に代えて、電磁的方法で利用明細書が提供されるため、WEBサイトや会員アプリより確認しましょう。
カード会社へ連絡する
カード会社のカスタマーサービスセンターに電話をして、利用限度額を確かめる方法もあります。オペレーターが対応する形式のほか、自動音声での対応になる場合もあります。
カスタマーセンターで利用限度額を確認する場合、カード番号、会員番号、暗証番号などが必要になることがあるので、手元にクレジットカードを用意して必要情報を入力できる状態にしておきましょう。
ただし、オペレーターとの通話は混み合って電話がつながるまで時間がかかることもあります。自動音声にしても回答を得るまでに時間がかかる場合があるため、WEBサイトや会員アプリ、利用明細書での確認のほうが手軽です。
クレジットカードの支払いが遅れた時のデメリット
クレジットカードの支払が遅れると、利用者側にいくつかのデメリットが発生します。クレジットカードが一時的に利用できなくなる他、信用にもかかわるため、今後のライフプランに大きく影響することもあります。ここでは、支払いが遅れた時のデメリットについて解説します。
遅延損害金が発生する
登録した返済口座から引き落としができなかったときや、振込などで支払いが行われなかった際、支払日の翌日から支払いが完了するまでの期間に応じて遅延損害金が発生する場合があります。1日遅れるごとに遅延損害金が発生するため、1日でも早く支払いをするようにしましょう。
遅延損害金の計算式
支払額×金利÷365日(※1)×延滞日数
(※1)うるう年は366日
遅延損害金の金利はカード会社の規約で取り決められています。支払いは遅れないように心がけましょう。
クレジットカードの利用停止や強制解約になる
クレジットカードの支払いが遅れると、一時的に利用が停止される場合があります。また、支払いの遅れを繰り返すと、返済能力がないとみなされて、強制的にクレジットカードに利用制限がかかってしまいます。
さらに、支払いが遅れてカード会社から督促状や催告書が届くようになってもまだ支払いを放置していると、カード会社によっては強制的に解約になったりする場合もあります。どうしても支払いが難しい場合は、カード会社に相談することをおすすめします。
信用情報機関に延滞情報が登録される場合がある
クレジットカードの支払いが遅れたままにすると、支払いが遅れた事実が個人信用情報機関に記録され、その情報は各カード会社に共有されます。延滞情報はすぐに消えることはなく、長期にわたって記録が残ることもあります。
各種ローンやクレジットカードの審査では、個人信用情報機関へ申込者の信用情報を照会するため、延滞情報が残っていると審査に通らなくなる可能性があります。
住宅を購入したり車を購入したりするのは、人生の中でもそう何度もない重要なライフイベントですが、延滞情報が記録されていることで希望する時期に購入ができないことにもなりかねません。
支払いの遅れが人生設計に影響することを考え、毎月のクレジットカードの支払いを遅らせないように注意が必要です。
関連リンク:クレジットカードの審査とは?審査の確認ポイントを解説
クレジットカードの支払いが遅れないようにするための対処法
クレジットカードを使って買い物するときは、支払いの管理をすることが大事です。請求される利用金額や支払うタイミングなどのルールを理解し、支払える金額の範囲内で計画的に利用しましょう。
締め日と支払日を把握しておく
クレジットカードの締め日と支払日を知っておくことは、利用にあたり大事です。
クレジットカードの締め日と支払日は、カード会社ごとに設定されています。しっかり把握しておけば、計画的な支払いができるようになり、引き落としの遅延対策にもなるでしょう。
- 締め日: 1ヶ月の利用合計額が決まる日のこと。
- 支払日: 登録口座から1ヶ月の利用合計額が引き落とされる日のこと。
たとえばアコムでは、締め日は毎月20日(休業日にあたる場合は前営業日)、支払日は自分で指定した日とする「毎月指定日の返済」と、前回の返済日から35日後を期日とする「35日ごとの返済」から選ぶことができます。
計画的なカード利用を心がける
クレジットカードを利用する場合、最も重要なことは「返済できる範囲内で利用すること」です。収入のなかから、クレジットカードで使える金額を定め、計画的に利用するように心がけましょう。
おすすめは、事前に予算を立てておくことです。事前に予算を立てておき、締め日の翌日から次の締め日までの利用状況がわかるよう家計簿などに記録しておくと、使い過ぎを防ぐことができます。
必要に応じて分割払いを利用する
クレジットカードは返済できる範囲内で計画的に利用することが重要ですが、場合によっては引き落とし金額が高額になることもあります。そんなときは、分割払いを利用するのもひとつの手段です。
ただし、分割払いは手数料がかかりますので注意が必要です。
ちなみに、カード会社によっては2回払いが利用できることがあります。2回払いは手数料が無料のカード会社もあり、 支払いの負担を減らすために利用してもよいでしょう。
クレジットカードの上手な使い方
クレジットカードを上手に利用するためには、お金の管理が重要です。ここでは、利用状況が一目でわかるよう工夫をしながら、クレジットカードを上手に使っていく方法を紹介します。
カード会社の会員アプリを活用する
カード会社の会員アプリを活用し、利用状況を確認することもおすすめの方法です。
会員アプリの良い点は、最新の利用状況をいつでも確認できることです。また、当月だけでなく翌月の利用明細書を見ることができるのも便利なポイントです。
家計簿アプリと連携できるカード会社の会員アプリであれば、家計管理にも役立ちます。
カード払いにしたものを項目別に仕訳してくれるので、家計簿を付ける手間も省けます。口座残高も確認できるので、上手に活用すれば、節約にもつながるでしょう。
アコムには「myac」という会員アプリがあり、現在の利用状況のほか、アプリを使ってセブンATMからの返済ができるなど便利な機能が多くあります。
アコムでクレジットカードの契約をする場合には、ぜひご活用ください。
複数枚のクレジットカードを使い分ける
支出の管理をするために、複数枚のクレジットカードを使い分けることも、手段の一つです。
たとえば、生活費、ガソリン代、臨時の出費など、用途別にクレジットカードを使い分けるのもよいでしょう。そのほか趣味などの出費は、家計用のクレジットカードと分けることで、支出の管理がしやすくなる場合もあります。
複数のカード会社のクレジットカードを使い分ければ、締め日や支払日をずらすこともできます。
ただし、複数のクレジットカードを使い分ける場合も、給与など収入のあるタイミングを考えて計画的に使うことを心がけましょう。
クレジットカードは支払日に遅れることなく支払うことが大前提となります。自分が支払い可能な範囲内でクレジットカードを使い分けることが重要です。
複数の国際ブランドのカードを持つ
最近は、多くの店舗でクレジットカードを使うことができますが、店舗によっては、自分が使用しているクレジットカードの国際ブランドが使えないこともあります。
そんな場合に備える意味でも、複数の国際ブランドのカードを持っておくのもよいでしょう。
主な国際ブランド
- Visa
- Mastercard®
- JCB
- American Express
- Diners Club など
世界中でよく知られている国際ブランドは、Visa、Mastercard®でしょう。ちなみに、JCBは日本で誕生した国際ブランドです。
Visa、Mastercard®は世界的にもシェア率が高いので、海外旅行へ出かけるなら利用しやすいかもしれません。
クレジットカードを選ぶときは、使いやすさと付帯サービスで国際ブランドを選ぶとよいでしょう。
ちなみに、アコムのクレジットカード「ACマスターカード」 は、シェア率の高いMastercard®となっています。
また、ACマスターカードを利用して海外のATMから現地通貨を引き出すことも可能な場合があるため、海外旅行にも役立つでしょう。
クレジットカードが使えなくなったらカードローンの利用も
クレジットカードが利用できないときは、カードローンを利用する方法もあります。カードローンとは、金融機関が提供する個人向け融資のことです。カードローンを契約すると、利用限度額の範囲内で借入ができます。
アコムが発行するACマスターカードのカードローンの金利は年3.0%~18.0%となります。審査は最短20分(※2)、即日融資(※2)が可能です。
(※2)申込時間や審査により希望に添えない場合があります。
契約内容によっては、金利がリボ払いよりもカードローンの方が低くなる場合もあるので、一度問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
クレジットカードが使えなくなる理由は、支払いが遅れていたり有効期限が切れていたり、カードブランドが対応していないなど、利用限度額の超過以外にもさまざまな理由が考えられます。
クレジットカードを利用する際は、そのルールや利用限度額の仕組みなどをしっかり把握し、計画的に利用するようにしましょう。
監修者:高柳 政道
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DCプランナー2級 金融コラムニストとして資産運用・生命保険・相続・ローン商品・クレジットカードなど多岐にわたる執筆業務と監修業務に携わり、関わった記事案件は500を超える。 企業に属さないFPとしても活動し、客観的な立場から投資・保険商品の選び方を中心に情報発信を行う。