キャッシングの利息の計算方法とは？計算式や１ヵ月の支払いシミュレーションも紹介

「利息」とは、お金の貸し借りに対して支払われる対価のことです。

キャッシングの返済では、借りたお金である「借入残高(元金)」だけでなく、「利息」も含んだ金額が毎月の返済金額となります。利息計算について正しい知識を持っておくことで、カードローンなどのキャッシングサービスを上手に利用することができるでしょう。

この記事では、利息の計算方法について詳しく解説します。具体的な利息の計算式も紹介するので、借入前や返済計画を立てる際にお役立てください。

キャッシングの利息とは？

キャッシングとは、カードローンやクレジットカードのキャッシング枠のような、お金を借りられるサービスの総称のことです。一方の「利息」は、お金を借りたことに対する対価として発生する金銭を指します。

キャッシングサービスでは借りた金額に対する利息を計算するための「金利」が設定されており、元金に対する1年間の利息の割合を示すために「％（パーセント）」で表示されます。

実際に支払うことになる利息は、金利などから算出された具体的な金額が「円」で表記されます。

キャッシングの利息の決まり方

消費者金融やクレジットカード会社などの金融機関が提示するキャッシングの金利には、「3.0％～18.0％」といったように幅があります。これは、申し込んだ個人の借入金額などによって設定される金利が異なるためです。申込者ごとの金利は事前に設定された下限金利から上限金利の間で、審査によって決定されます。

なお、消費者金融の上限金利は一般的に18.0％前後～20.0％の設定になっています。これは、貸金業者の上限金利が貸金業法によって、以下の通りに決められているためです。

参照：日本貸金業協会｜お借入れの上限金利は、年15％～20％です

実質年率とは

カードローンの金利は「実質年率」で表記されるのが一般的です。実質年率は、借入残高を基準として利息を計算する場合に適用される金利です。

貸金業法では、ごく一部の例外を除き、貸し手が受け取る元本以外の金銭は、すべて利息とみなされます。そのため、実質年率で計算される利息には、手数料などの金額も含まれます。

実質年率に対して、「アドオン金利」という金利の表記方法もあります。

実際にカードローンを利用すると、毎回の返済によって徐々に元金が減っていきます。実質年率の場合は、借入残高(元金)に基づいて利息を計算するため、この元金の減少は利息計算に反映されます。

一方で、アドオン金利は、元金が減少しないと仮定して利息を計算する「アドオン方式」に基づいて計算されます。利息計算がしやすいというメリットがありますが、実際に支払う利息はアドオン金利で計算した利息よりも高くなる点に注意が必要です。

そのため、アドオン金利を表示する場合には、実質年率も併記することが法律で定められています。正しく利息額を把握するために、借入の際は必ず実質年率を確認しておきましょう。

キャッシングの利息の計算方法

カードローンなどのキャッシングサービスを利用すると、借入残高(元金)と借入利率(実質年率)、利用日数に応じて利息が発生します。DVDをレンタルした際のレンタル料にも例えられる利息は、利用日数が長くなるほど金額が増えていきます。

利息の計算式

・借入残高×借入利率÷365日×利用日数(※1)

(※1)借入当日は利用日数に含まれません。うるう年は、365日が366日になります。

例えば、借入利率が18.0％で10万円を借入した場合で解説します。

30日間利用した場合、「10万円×18.0％÷365日×30日」となり、利息は1,479円です。15日間利用した場合、「10万円×18.0％÷365日×15日」となり、利息は739円です。

利息は利用日数分で計算するため、早く返済するほど支払う利息金額は少なく済みます。

キャッシングの金利

利息を計算するときに用いられる「金利」とは、借りたお金に対し支払う利息の割合をいいます。金利には「日歩」、「月利」、「年利」といった単位がありますが、貸金業法上は「年利」を用いることが定められています。

「年利」は、元金に対する1年間の利息の割合を示したもので、利息計算の単位を1年として計算します。例えば、アコムの借入利率も「実質年率」という年利表示に基づくものです。

アコムの借入利率は3.0％～18.0％(実質年率)です。なお、お客さまの契約極度額に応じて適用される借入利率(実質年率)が決まります。

キャッシングの利息計算の具体例

ご紹介した計算式を用いて利息計算をすることは可能ですが、実際の返済金額や返済回数については、シミュレーションツールを用いると計算が簡単になります。

例えば、アコムの「ご返済シミュレーション 」を使うと、毎月の返済金額や完済までの返済回数を把握することができます。 それぞれのシミュレーションをした利息計算の具体例をご紹介します。

「返済金額(毎月)」のシミュレーションを利用した利息計算

毎月の返済金額は、返済回数によって変わります。このシミュレーションでは、借入希望金額と借入利率(実質年率)、返済回数(毎月1回払い)を入力することで、毎月の返済金額や利息額を試算することができます。

※以下のシミュレーションは、30日間金利0円サービスが適用されない前提で行っています。

契約極度額50万円の方が10万円を借入利率18.0％で借入して、30回で返済した場合のシミュレーション結果は以下の通りです。

【10万円を30回で完済した場合のシミュレーション】

そして、半分の返済回数である15回で返済した場合のシミュレーション結果は、以下のようになります。

【10万円を15回で完済した場合のシミュレーション】

返済回数によって生じた利息総額の差は、12,502円です。返済回数が半分になると、利息総額も約半分になっています。このように、カードローンの利息は返済期間が短くなるほど少なく抑えることができます。

なお、カードローンの利息を節約する方法は早期完済だけではありません。一部のカードローンでは、一定期間は利息が発生しない無利息サービスが用意されており、サービス期間内に返済した借入残高は利息なしで利用することができます。

例えば、アコムとの契約がはじめてで、無担保のカードローンを利用される方は、「30日間金利0円サービス 」を利用できます。契約日の翌日から30日間が無利息の適用期間となるため、利息を抑えて借入したい方はぜひ活用ください。

「返済回数(毎月1回)」のシミュレーションを利用した利息計算

ここでは、「返済回数(毎月1回)」のシミュレーションを用いて、最少返済金額で返済した場合のシミュレーションを行います。

契約極度額50万円の方が、10万円を借入利率18.0％で借入して、最少返済金額のみで完済した場合の返済シミュレーションは以下のとおりです。

【10万円を最少返済金額で完済した場合のシミュレーション】

最少返済金額のみで完済する場合は、毎月の返済金額が少なくなるメリットがありますが、返済期間は長くなり、返済総額が多くなります。早めに完済して利息を減らしたい方には、追加で返済するか、返済資金が用意できたタイミングで一括返済することをおすすめします。

キャッシングの利息を抑えるには？

キャッシングを利用する際、適用される金利が低いほど、計算される利息を抑えることができます。また、利息の計算式に利用日数も含まれることから、可能な限り短期で完済することでも利息を安く抑えることが可能です。

ここではキャッシングの利息を抑える方法として、以下の2点を紹介します。

繰上返済で早めに完済する

キャッシングの返済方法には、毎月決まったタイミングで決まった金額を返済する「約定返済」と、任意のタイミングで追加の返済をおこなう「繰上返済（または臨時返済）」があります。

キャッシングの利息計算は「借入残高×借入利率÷365日×利用日数」であり、利用日数が長いほど多くの利息を支払うことになります。

繰上返済をすると約定返済のみよりも短い期間で完済できるようになり、利用日数が短くなってキャッシングの利息負担を抑えることが可能です。

無利息期間を活用する

消費者金融のカードローンの場合、無利息期間を利用することで利息負担をゼロにすることが可能になります。

無利息期間とは、カードローンの借入に対して、本来は発生する利息が一切発生しない期間のことです。期間中は元金のみ返済すれば良く、ATM手数料などを除けば利息の負担ゼロで完済できます。

無利息期間内に完済すれば、期間中に何度借入しても利息は発生しません。30万円を無利息期間のあいだに10万円ずつ返済して完済を目指すこともできます。

アコムでも、契約がはじめての方に、無利息期間として「30日間金利0円サービス 」を提供しています。借入した金額を短期間で完済できる見込みがある方は、無利息期間内での完済がおすすめです。

まとめ

この記事では、キャッシングの利息の概要や決まり方、計算方法について詳しく解説しました。

利息とは、金銭の貸し借りに対し支払われる対価のことです。カードローンやクレジットカードのキャッシング枠などのキャッシングサービスでは法律上の上限金利までの範囲内で実質年率を用いて利息が計算され、借入残高や利用日数に応じて利息額が変動します。

利息を抑えて利用するためには、借入残高をできるだけ早く減少させることや、無利息期間内に完済することなどがポイントです。返済シミュレーションを活用しながら、計画的にキャッシングをご利用ください。

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※申込時間や審査により希望に添えない場合があります。

監修者：高柳　政道

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DCプランナー2級 金融コラムニストとして資産運用・生命保険・相続・ローン商品・クレジットカードなど多岐にわたる執筆業務と監修業務に携わり、関わった記事案件は500を超える。 企業に属さないFPとしても活動し、客観的な立場から投資・保険商品の選び方を中心に情報発信を行う。