竹取物語
『竹取物語』は、平安時代に書かれた日本で最も古い物語です。作者が誰なのか、いつ書かれたのかは分かりません。原題よりも「かぐや姫」の物語として絵本などに描かれ、日本人の心に親しみを呼び起こす懐かしい作品です。物語は月に戻るという幻想的でロマンチックな内容で、時代を超えた現在でも多くの人々に読み継がれています。『竹取物語』を読むと、平安時代に暮らす人々の感じていたことや考えていたことが生き生きと伝わってきます。
物語のあらすじ
ある日、竹取の翁と呼ばれるおじいさんが、光輝く一筋の竹の中に小さな女の子が座っているのを見つけました。おじいさんは、この女の子を家に連れて帰り、“なよ竹のかぐや姫”と名付けて育てました。
3ヶ月ほどで女の子は年頃の美しい娘に成長し、その美しさに魅せられた何人もの貴公子が求婚します。しかし、かぐや姫は彼らに難題を与え、結婚しようとはしませんでした。時の帝もかぐや姫を妃に迎えようとしましたが、かぐや姫はそれも断ってしまいます。
8月の十五夜が近づくと、かぐや姫は悲しい表情をして、「私は月の都の者です。次の満月の日に月から迎えがきます」と打ち明けます。おじいさんは悲しみ、帝は二千人の兵士を護衛に当たらせます。しかし、月から天人が光とともに降りてきて、かぐや姫を月の都に連れ帰ってしまいました。